体験型観光のグローバル市場規模
体験型観光にはさまざまな楽しみ方がありますが、代表的な例は「アクティビティ、自然、文化体験の3要素のうち、2つ以上で構成される旅行」と定義される「アドベンチャーツーリズム」です。
2010年に行われた世界初のアドベンチャーツーリズムに関する調査において、アドベンチャーツーリズムの市場規模は890億米ドルという結果が出ています。
その後、2013年に再び行われた調査では旅行者全体の42%がアドベンチャーツーリズムに出かけた経験を持つことがことが分かり、市場価値は2630億米ドルに拡大しました。これには平均単価の上昇が関係しているとのこと。
また、近年ではアジアや中・東欧、中東、アフリカにおいて急速な成長が見られる新興市場とも言われています。
すでに大きな市場が形成されているアドベンチャーツーリズムですが、これからまだまだ伸びることが予測されています。
2024年には12670億米ドル、2026年には16270億米ドルにまで市場規模が拡大すると考えられており、世界のトレンドとして大きな期待が寄せられていることが伺えます。
参考:
アドベンチャーツーリズムの市場規模について/国連世界観光機構(UNWTO)駐日事務局資料
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日本における体験型観光の市場規模は?
大きな盛り上がりが見られる体験型観光ですが、日本では発展途上の状況にあります。
例えば2022年3月に公表された資料によると体験型観光のひとつである「アドベンチャーツーリズム」という言葉を「よく知っている」と回答した事業者の割合は46%です。
また、国際的なアドベンチャートラベル業界団体による定義について「よく知っていると回答した事業者は37%、自分たちの事業でアドベンチャーツーリズムを提供していると回答した事業者は21%という結果が出ています。
事業者を対象としたアンケートでも、アドベンチャーツーリズムの認知度は決して高くありません。一般消費者の認知度はもっと低いと考えられます。
しかしその一方で、旅行事業者が取り扱うツアーの9割は自然に関するもの、7割が文化に関するものであることが分かっています。
温泉に入ったり、郷土料理を食べたりすることも、立派な体験型観光でしょう。日本で国内旅行を提供する事業者や、旅行を楽しむ方の多くが「これは体験型観光である」と意識せずに体験しているのではないでしょうか。
日本は体験型観光に適した観光資源が豊富にあるものの、アピールが不十分なのかもしれません。
その一方で北海道など、積極的に体験型観光に乗り出している地域も存在します。ぜひお手本にして、地域の資源をアピールしてください。国内でのアピール力を高めることが、インバウンド集客にもつながるのではないでしょうか。
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日本の体験型観光を宿泊業で盛り上げよう!
体験型観光の市場を盛り上げるためには宿泊業の尽力が必要不可欠です。ホテルや旅館においてもただ泊まるだけでなく、さまざまなアクティビティを体験できる施設は、今後トレンドの中心になるかもしれません。
「日本の体験型観光市場を活性化させたい!」という方は宿泊業で働くことを視野に入れてはいかがでしょうか。ホテル・旅館の仕事を探す際には、おもてなしHRが力になります。