観光業におけるGXを考えよう
「GX」という言葉を耳にしたことはありますか?GXは「Green Transformation(グリーントランスフォーメーション)」の略語で、日常生活や企業活動で使うエネルギーを、化石燃料から太陽光発電などのクリーンエネルギーに変えていこうという取り組みです。温室効果ガスの排出を削減し、地球温暖化による環境問題の解決を目的としています。
また、経済産業省は積極的にGX化に取り組む企業群が参加する「GXリーグ」を設立しました。GXリーグは企業が世界に貢献するためのリーダーシップの在り方を示すことや、GX投資が世の中から応援される仕組みを作ることなどを目指しています。
GXは観光業にも関係のある取り組みですが、どのような動きがあるのでしょうか。観光業におけるGXについて、詳しく見ていきましょう。
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観光業で起こっているGX化運動3選
観光業においても、さまざまな方面でGX化運動が広まっています。人々の意識による活動や、国際機関、企業の取り組みなどについて紹介します。
飛び恥
「飛び恥」とは、二酸化炭素の排出量が多い飛行機に乗って空を飛ぶことを「恥ずかしい」とする考えです。
目的地まで早く到着する飛行機は非常に便利な乗り物ですが、脱炭素への意識が高まっている今、「本当に飛行機で移動する必要があるのかどうかを深く考えずに搭乗することは控えよう」と考える人が増えているようです。
この考えは特にヨーロッパで浸透しており、人々が移動手段を飛行機から鉄道に切り替える動きが見られます。実際に大幅な減便が行われた例もあり、影響力は大きいと言えるでしょう。
また、カーボンニュートラル燃料を使用するなど、GXのために尽力している航空会社も存在します。今後は観光旅行の移動手段を「地球にやさしいかどうか」で選ぶことが一般的になるかもしれません。
国際的認証制度
GXに取り組むサステナブルな旅行会社や宿泊施設・レジャー施設などを認定する国際機関も存在します。国際機関の審査を受け、認定された企業や施設は機関のロゴマークを掲示できるようになります。
GXへの意識が高い海外からのお客様にも分かりやすいため「選ばれる企業・施設」になるためのアピールポイントとして有効ではないでしょうか。
また、一般消費者の立場であれば、認定を受けた企業・施設を使うことで、GXに貢献できるでしょう。
ホテルの取り組み
ホテルにおいて、GXの推進は重要な課題です。すでにさまざまな取り組みを実施しているホテルがあるので、例を見てみましょう。
長崎県のリゾート地に位置するあるホテルでは、燃焼時に二酸化炭素を排出しない水素エネルギーを使って、電力と温水を提供しています。
また、ある全国チェーンのビジネスホテルでは、客室清掃をしない代わりにミネラルウォーターをプレゼントする連泊プランを用意しています。シーツなどの過剰なクリーニングを抑制することで、二酸化炭素の排出量を減らし、節水することが目的です。
ひとつひとつは地道な活動かもしれませんが、大勢のお客様が宿泊するホテルにおいては大きな成果を得られるのではないでしょうか。
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未来のために観光業をGX化しよう
活発な消費活動による地域活性化が期待できる観光業は、日本の未来にとってなくてはならない仕事です。しかし、環境にかかる負担が大きく、今後も事業を続けていくためにはGXへの取り組みが必要不可欠ではないでしょうか。今回の記事を参考に、できることから始めてくださいね!
なお、ホテル・旅館の仕事を探す際にはおもてなしHRが力になります。