公務員の仕事を辞めたい……後悔しないためには?
公務員と言えば安定した収入と終身雇用で一生安泰というイメージが強い職業です。しかし、公務員として働く人の中には「仕事を辞めたい……」と思い悩む人もいます。
一般的に「羨ましい!」と思われがちな公務員の仕事を辞めたくなるのには、どのような背景があるのでしょうか。辞める・辞めないの決断で後悔しないために、やるべきことと併せて見ていきましょう。
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公務員の仕事を辞めたくなる理由7選
公務員は難しい試験に合格しなければ、なれない職業です。問題を起こさなければ解雇されることもなく、理想的な働き方だと思われることも多いはず。
それでも辞めたくなることには、どのような理由があるのか見ていきましょう。
人間関係の悩み
どのような職業でも、人間関係の悩みが生まれるリスクはあります。しかし、公務員の場合は、民間企業における人間関係の悩みよりも、根が深くなりやすいもの。
非常に安定した職業であるがゆえに辞める人が少なく、異動の機会もあまりないことがその理由です。合わない人といつまでも同じ職場にいることに、苦痛を感じて辞めたくなるのですね。
職場の体質が古い
公務員が働く職場は「体質が古い」と言われています。定年まで働く人が多いことや、年功序列の制度などがその要因と言えるでしょう。
また「昔ながらのやり方を変えたい!」と思っても、税金を使うために審査が必要で、民間企業のようにどんどん改革を進めるといったことは難しいかもしれません。
働き始めてから「今時こんなことやってるの?!」と驚く場面が多いのではないでしょうか。
モチベーションの維持が困難
公務員は社会のために尽くす、やりがいのある職業です。しかし、民間企業と異なり利益を出すための仕事ではないので、モチベーションの維持が難しいと感じる人もいるでしょう。
営業ノルマを課せられるなど、分かりやすい目標がないため「どこをめざして仕事をすれば良いの?」と迷うこともあるのでは。
給料がさほど高くない
高収入で安定していると思われがちな公務員ですが、長く働かなければそれほど高い給料は得られないと言われています。
民間企業の営業職のように「1年目からインセンティブでがっぽり稼ぐ!」といったことができないため、物足りなさを感じるかもしれません。
警察官や自衛官、救急隊員といった命がけで働き、人の命を守る公務員は「責任の重さと給料が見合わない!」と思うこともあるでしょう。
業務量や残業が多い
公務員には、労働基準法が適用されません。代わりに「国家公務員法」または「地方公務員法」が適用されることになります。時間外勤務の上限なども定められていますが、民間企業と異なるのは「特例業務」があること。
特例業務とは、大規模災害への対処や国際機関との重要な交渉など「緊急に処理しなければならない業務である」と各省各庁の長が認めた業務を指します。
特例業務が発生した場合、時間外労働の上限を超えて公務員を働かせることが認められているのです。ひとたび災害が起これば「何日も家に帰れない……」といった事態になることが考えられます。
また、人手不足でもすぐに人員を補填することができないため、1人あたりの業務量が多くなるケースもあるでしょう。公立学校の教師などは、満足な手当も支給されずに部活動の顧問を任されるなど、過酷な労働が問題になっています。
参考:特例業務について/人事院
プライベートの行動が制限される
公務員はプライベートにおいても、公務員という立場を自覚して節度のある行動をしなければなりません。お酒に酔って少し羽目を外しただけでも、公務員という立場が知られれば大バッシングを受けるおそれがあるのです。
また、副業が禁止されている点も「辞めたい……」と考える要因のひとつではないでしょうか。会社員であれば、本業と並行してやってみたい仕事に挑戦したり、プラスαの収入を得たりすることができますが、公務員にはそれが許されません。
ふるさと納税は可能ですが、居住地の税収を減らすことになるため、ひんしゅくを買うことも考えられます。
「プライベートまでがんじがらめになっている……」と悩む公務員は、少なくないでしょう。
理不尽なことをされやすい
公務員の給料は、税金でまかなわれています。そのため、公務員に対して強く出る市民がいるかもしれません。役所の窓口対応業務で暴言を吐かれたり、長時間にわたって世間話に付き合わされたりすることもあるのでは。
また「公務員」という安定した立場を羨ましがられ、近所の人からおかしな態度を取られることなども考えられます。
「国や地域のために働く立場」のつらさを感じ、辞めたくなる人もいるでしょう。
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公務員の仕事を辞めたくなったらどうする?
仕事は人生を左右する重大事項です。辞めて後悔することも、辞めずに後悔することも避けたいもの。特に、公務員は誰でもなれる職業ではないため、慎重に考えることが必要です。
「公務員の仕事を辞めたい……」と思った時の、適切な行動を見ていきましょう。
公務員を辞めるメリット・デメリットを考える
まずは公務員を辞めるメリット・デメリットをよく考えましょう。代表的なメリット・デメリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
【メリット】
- ・民間企業で自由度が高い働き方ができる
- ・労働基準法が適用される
- ・ストライキを起こせる
- ・プライベートと仕事をしっかりと区別できる
- ・給料アップを狙える
- ・副業ができる
【デメリット】
- ・終身雇用の安定性を失う
- ・周囲の理解を得にくい
- ・民間企業になじめない場合がある
- ・社会的な信頼度が下がりがち
- ・生涯賃金が下がる場合がある
こうしたメリット・デメリットを理解し、自分にとって何が重要なのか、何を優先したいのかをよく考えてくださいね。
辞めたい原因を分析する
勢いで辞めて後悔しないためには、辞めたい理由を分析することも重要です。「公務員」という立場が嫌なのか、担当業務が嫌なのか、給与や福利厚生に対する不満があるのかといったことを、よく考えましょう。
公務員のまま別の仕事に従事したり、部署移動を願い出たりといった対処方法もあります。
辞めたいと思った理由にもよりますが、安定性の高い公務員という立場を簡単に手放すのはもったいない話。原因をしっかり分析し、公務員を辞める以外の選択肢を探ってみることもおすすめです。
民間企業の仕事について調べる
「公務員そのものを辞めたい」という気持ちが強い場合は、辞表を出す前に民間企業の仕事を調べてみてください。求人情報を閲覧したり、会社員の知人に話を聞いてみたりと、現実的な部分をリサーチしましょう。
また、転職エージェントに相談し、詳しい話を聞くこともおすすめです。多くの企業と求職者を結びつけてきた転職エージェントであれば、民間企業の良い面も悪い面も、包み隠さず教えてくれるかもしれません。
民間企業で働くことの実態を知れば、公務員を辞めて今より幸せになれるかどうかが見えてくるのではないでしょうか。
公務員からの転職は慎重に!
公務員の職場と民間企業では、雰囲気やルールが大きく異なります。公務員のつらい面ばかりを見て民間企業に転職し、失敗するのは避けたいものですよね。今回の記事を参考に、自分にとってのベストな道を選んでください!
なお、ホテルや旅館の仕事について調べる際には、おもてなしHRにご相談ください。