退職時は保険証の返却を忘れずに!
会社員は通常、勤務先で社会保険に加入しているはずです。社会保険料の半分を勤務先が負担してくれるありがたい制度ですが、退職すると任意継続しない限り被保険者の資格を喪失します。
保険証も使えなくなるため、退職後は速やかに返却しなければなりません。扶養家族がいる場合は、家族の分も返却が必要です。
この記事では、退職時に保険証をスムーズに返却するためのポイントを解説します。返却しなかった場合に発生するデメリットにも触れるので、ぜひ参考にしてくださいね。
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退職時の保険証返却をスムーズに進めるポイント3選
保険証は病院で治療を受ける際に使う重要な書類のため、返却の際にも慎重に扱わなければなりません。退職時、スムーズに保険証を返すためのポイントを見ていきましょう。
被保険者資格がなくなる日を把握する
社会保険の被保険者でなくなるのは、原則として退職日の翌日です。
「退職した月の月末まででは?」「新しい保険証が手元に来るまでは使えるだろう」といった勘違いを起こしがちですが、退職日の翌日には資格喪失することをしっかり覚えておきましょう。
今の保険証がいつまで有効なのか分かっていれば、早めに病院に行っておいたり、体調管理に気を付けたりといった対処ができるはずです。
確実性の高い方法で返却する
保険証を返却する際は、担当者に手渡しすることがベストです。
困難な場合は郵送でも可能ですが、普通郵便では追跡ができません。郵便事故で届かなかったり、他の郵便物に紛れて忘れ去られたりするリスクがあります。郵送で返却する場合は、追跡できる方法や、配達員が手渡しする方法を選びましょう。
また、保険証を紛失しており返却できない場合は、その旨を会社に報告してください。届け出によって、保険証を返却した扱いにしてもらえます。
有給消化中は持っておく
退職日が最終出勤日の場合は、最終出勤日に担当者に保険証を手渡しで返却すればOKです。
しかし、有給消化などの都合で最終出勤日から退職日まで、しばらくの日数があるケースも。その間、病院にかかることもあり得るので、実際の退職日まで、保険証は手元に残しておくことがおすすめです。
また、会社側は退職者の保険証を、5日以内に日本年金機構へ提出しなければなりません。退職日を迎えたら、速やかに返却してくださいね。
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退職後に保険証を返却しないとどうなるの?
退職後、保険証を返却しないままでいるとどうなるのでしょうか。起こり得るデメリットを見ていきましょう。
新たな健康保険への加入ができない
退職によって社会保険の被保険者資格を喪失したら、国民健康保険に加入したり、転職先の社会保険に入ったりする必要があります。家族の扶養に入るパターンもあるでしょう。
いずれにしても、新たな健康保険に入るためには「社会保険資格喪失証明」という書類が必要です。しかし、保険証の返却をしなければ、手続きが進まず、社会保険資格喪失証明書を発行してもらえません。
従って、新しく健康保険に加入することができず、無保険状態になってしまいます。手続きが滞ることで、もとの職場に迷惑をかけることにもなるでしょう。
また「健康保険任意継続制度」といって退職後も最長で2年間、引き続き被保険者となれる制度があります。この制度を利用する場合も、今までの保険証はいったん返却しなければなりません。
健康保険任意継続制度を利用する場合は、担当者の指示に従って速やかに手続きを進めましょう。
高額な医療費がかかる
被保険者の資格を喪失し無効になった保険証を病院の窓口に出しても、その場では負担割合に応じた金額でお会計をしてもらえます。
しかし、被保険者資格は喪失しているので、後から請求がきます。保険診療の自己負担は原則として3割なので、残り7割を支払わなければなりません。
有効な健康保険証を持っていなければ、医療費は全額自己負担です。また高額医療費制度なども利用できないため、大きなケガや病気をした際、非常に困ることになるでしょう。
医療費の返金が受けられなくなる
必要な手続きを速やかに取っていれば、一時的に保険証がない状態で病院にかかっても、後から返金を受けられる場合があります。
国民健康保険に切り替える場合、退職後14日以内に手続きをすれば、もとの健康保険の被保険者資格喪失日にさかのぼって、自己負担分を除いた医療費が返ってきます。しかし、手続きをしないまま退職日から14日が過ぎてしまうと、返金は受けられません。
手続きが遅れることで、大きな損失が生じるおそれがあるのですね。
保険証の返却は退職時の重要な手続きのひとつ
「たかがカード1枚のこと」と思ってきちんと返却しないでいると、自分が困ることになります。今回の記事を参考に、退職時には確実に保険証を返却してくださいね。
なお、転職先を探す際には、転職エージェントの活用もおすすめです。社会保険の切り替え手続きなどについても、適切なアドバイスをもらえるのではないでしょうか。
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