ニューツーリズムとは新しい体験型旅行!テーマの例や課題点を把握しよう!

今、旅行のスタイルとして中心的になっているのは、さまざまなテーマを持ち、体験・交流に主軸を置いたニューツーリズムです。 従来主流であったマスツーリズムとは具体的にどのような違いがあるのでしょうか。ニューツーリズムの概要や魅力、需要などを詳しく見ていきましょう。ニューツーリズムが持つ課題についても触れるので、ぜひ参考にしてください。

ニューツーリズムとは

趣味グッズ

iStock.com/PiKaChU

ニューツーリズムは、ここ20年ほどで人気が高まっている旅行のスタイルです。従来、旅行スタイルの中心は団体で観光名所を見て回るマスツーリズムでした。対してニューツーリズムは、個人の趣味・嗜好に重点をおき、見るだけではなく体験・交流することが中心の旅行です。

 

ニューツーリズムは地域の魅力をいかせる事業のため、推進に向けて観光庁も積極的に取り組みをしています。たとえば2013年には、公募で選定した全国45の地域に観光資源の「目利き」を派遣する事業が実施されました。

また、日本の食文化を世界に発信する「ガストロノミーツーリズム」に関するフォーラムや「スポーツ文化ツーリズム」を普及・拡大させることを目的としたアワードなど、さまざまな角度から継続的なアプローチが行われています。

参考:観光庁の取り組みについて/観光庁ホームページ

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ニューツーリズムの特徴や需要とは?

食べ歩きを楽しむ外国人

iStock.com/PRImageFactory

ここではマスツーリズムとニューツーリズムの違いや、ニューツーリズムに見られる特徴、どういった需要が高いのかを紹介します。

従来の観光とニューツーリズムの違い

従来の観光旅行は、名所や土産店をめぐり、有名な旅館やホテルに泊まるといったプランが主流でした。移動は大人数で観光バスを利用することも多かったのではないでしょうか。

 

対して、ニューツーリズムは「見る」よりも「体験する・交流する」ことに重点が置かれます。大人数での観光旅行が一般的になり、ブームの時代を終えた今、旅行に対するニーズが多様化・熟成化したことで、「より深い体験をしたい」という人が増えています。

ツアーの参加人数が比較的少人数でじっくりと体験できることや、ガイドに質問しやすいというメリットもあります。 

また、インターネットの普及により、各地の様子を手軽に「見られる」ようになったことも、ニューツーリズムが流行している要因のひとつと考えられます。「見る」だけでは、旅行の目的である「非日常を体験したい」という欲求が満たされなくなってきたのですね。

 

そして、ニューツーリズムは個人の趣味・趣向にあったニーズを満たすテーマの旅行が用意されていることも特長です。テーマの例は後の項目で説明します。

海外からの旅行者が日本らしさを求めてやってくる

ニューツーリズムは日本国内からの旅行者にも人気がありますが、特に「日本らしさ」を求めてやってくる海外からの旅行者に人気があります。例えば、豊洲市場での食べ歩きや、ラーメン、餃子など日本の国民食を作る料理教室、ガイド付きのサイクリングツアーなどが人気です。

アニメの舞台となった地域を訪問する「アニメツーリズム」や、忍者装束を着て手裏剣などを体験する「ニンジャツーリズム」を目的としてやってくるインバウンド客もいます。

 

また、海外から日本らしさを体験しに初めて来る人は、やはり東京や京都に集まるそうですが、2回、3回と日本に来ている人は他の地域にも足を運ぶ傾向があります。

 

地方でも外国人観光客を呼び込むために力を入れており、農業や伝統工芸品づくりの体験ツアーを用意したり、各所に英語で書かれたマニュアルを用意したりするなど工夫しています。

コロナ禍でも高い需要があった

新型コロナウイルスによるパンデミックの最中においては、さまざまな行動が制限されました。

遠方への旅行が解禁された後も密を避けることが重視されたため、ニューツーリズムの需要が特に高まったと言えるでしょう。

1名もしくは少人数での行動や他者との接触が少ないおこもり旅行、屋外での活動を中心とするグリーンツーリズムなどは、コロナ時代に適した観光です。

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人気の高いニューツーリズムとその課題点

グリーンツーリズム

iStock.com/taka4332

ニューツーリズムは、今後訪日外国人がさらに増えると言われている日本の旅行業界で、さらに発展していくと考えられています。また観光庁でも、今後に向けて訪日外国人への対応事例調査などを行っています。

 

ニーズをよくリサーチした上で多種多様な体験を提供し、さまざまな国・地域の人が快適に過ごせる体制を整えることが、成功の鍵と言えるでしょう。

ここでは現在特に人気が高いニューツーリズムの概要と、課題点について紹介します。

グリーンツーリズム 

グリーンツーリズムは、農村や漁村を訪れるツアーで収穫体験や土地の食材を使った料理、そして地元の人々との交流などがテーマです。

 

始まりは1970年代のヨーロッパで、休暇を農村で過ごすスタイルが一般的に浸透したことが発祥だと言われています。もっと遡ると、18世紀のフランスでは、貴族たちの間で、農村で過ごすバカンスが流行っていました。

 

地方活性化のポテンシャルを秘めたグリーンツーリズムですが、受け入れ側の高齢化が進んでいることと、受け入れの設備を作るための費用が嵩むという問題点があります。費用の問題を解決に近づける方法には、補助金を受けることなどがあります。

 

補助制度を活用し、若い世代にも受け入れ側の取り組みに興味を持ってもらうことが、今後の課題と言えるでしょう。

ヘルスツーリズム

ヘルスツーリズムは、旅行を通して身も心も健康になることをテーマにした旅のスタイルで、健康の回復や増進を図り、旅行後も健康的な生活を維持することが目的です。具体的な内容は、ウォーキングや本格的な湯治、水中運動など。病気や障がいを持つ人向けにリハビリを目的としたツアーもあります。

 

ヘルスツーリズム中の食事は、マクロビオティックと呼ばれる玄米や全粒粉を主食とした料理や、医療食の専門家が作る健康料理のフルコースなどが中心です。日ごろの食生活を見直すきっかけにもなりますね。

その一方で、健康増進よりも観光旅行の要素が多く含まれ、本来の目的を見失いがちという課題点があります。旅行会社や宿泊施設がヘルスツーリズムの目的を理解し、参加者には心身に与える効果を説明する、体験談を伝えるといった対策が取られています。

ロケツーリズム

ロケツーリズムは映画やドラマの舞台となった場所を訪れ、名場面の舞台となった場所で写真撮影などをして楽しむツアーです。

ロケツーリズムを推進している地域では、撮影スポットの設置、登場人物が食べたお弁当の販売など、作品にちなんだ楽しみがあります。作品の世界に浸りながら、地元の物を食べ、地元の人と交流して地域のファンになってもらうことが、受け入れ側の目的と言えるでしょう。

 

人気ドラマのロケ地ではロケツーリズムが大成功を収め、わずか半年の間で30億円もの経済効果を出した地域もあります。また、朝のドラマや時代劇のロケ地になった地域にも大変な経済効果があり、ロケ誘致に力を入れる地方も多数あります。

エンターテインメント性が高く、地元にとってもメリットが大きいロケツーリズムですが、人気が出ても一過性のものとなるケースが多いという課題点を抱えています。リピーターを確保するために、スタンプラリーなどで周辺にも足を運んでもらい、地域の魅力を知ってもらうなどの工夫がされています。

また、主人公が住む家のモデルとなった古民家で「古民家の暮らし体験」を実施したり、観光施設の中にロケセットを公開したりするなど、資源を継続活用する動きも盛んです。

さまざまなニューツーリズム

スポーツツーリズム

iStock.com/dorovStock

ニューツーリズムは、自由にテーマを決めてプランを組めることが特長です。

「〇〇ツーリズム」と名づけられている旅行のスタイルはあくまでも代表的な例。ひとりひとりの趣味趣向によって、楽しみ方は無限なのです。ぜひオリジナルの旅行プランを考えてみてくださいね!

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