ブラック企業の見分け方とは?
ブラック企業に入ってしまうと心身ともに消耗します。病気になったり、最悪の事態に至ったりするリスクも少なくありません。
どのような企業で働いても、多少の理不尽に直面することはあるものですが、明らかに法を侵していたり、従業員の権利・尊厳を踏みにじったりしている企業で働くことは避けたいもの。
ブラック企業かどうかは入社してみないと分からない部分もありますが、求人票や求人情報の内容で、ある程度の予測ができます。
ブラック企業を見分けるために、求人票・求人情報でチェックしたいポイントを見ていきましょう。ブラック企業かも?と思った企業が気になった場合の対処方法も解説します。
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ブラック企業を見分けるために求人票・求人情報で見るべきポイントは?
求人票や求人情報を注意して見ると「ブラック企業のにおい」を感知できることがあります。
以下の特徴に当てはまる求人票を出している企業がすべてブラックとは限りませんが、応募は慎重に検討しましょう。
抽象的で聞こえの良い文言が多い
「アットホームなオフィスです」「あなたの夢を応援します」「未経験でも高収入のチャンス!」「幹部候補生大募集!」
求人情報にこのような文言ばかりが並んでいる企業は要注意です。一見、良い企業のように思えますが、特にアピールできる要素がないため、キラキラワードで飾っているだけかもしれません。
聞こえの良い文言ばかりが踊り、具体的なことが何も書かれていない求人票には、すぐに飛びつかないように気を付けましょう。
給料が極端に多いor少ない
管理職でもないのに多額の給料が記載されている場合は、インセンティブや各種手当を含めた金額で基本給が極端に少ない恐れがあります。給与の内訳が書かれていない場合は注意しましょう。
また、求人票に記載する給与は「この給与を確実に出します」という約束ではなく、見込みだったり例だったりするので、高く見える給与に釣られてはいけません。
反対に、生活が立ち行かないほど低い給与を掲載している企業も、従業員を大切にしているとは考えにくいでしょう。
さらに、掲載されている給与の幅が広すぎる企業も要注意。「実力次第でこれだけ稼げます!」という意味での掲載でも、その給与を得るためには、ほとんど不可能なレベルのノルマを達成しなければならないのかもしれません。
仕事内容の詳細が分からない
求人票・求人情報で仕事内容の詳細が分からない場合は、あまり人がやりたがらない仕事をごまかしていることが考えられます。
例えば「お客様サポート」の実態がクレーム処理だったり「マイホームコンサルタント」の実態がリフォームなどの飛び込み営業だったりするかもしれません。
具体的に何をするのか分からない求人票・求人情報には要注意です。
常に求人を出している
求人票・求人情報を出すタイミングや、掲載されている機関にも注目してください。常に求人情報を出している企業は、人が定着しないブラック企業かもしれません。
この特徴に気が付くためには、普段から求人情報をチェックしている必要があります。本格的に転職活動を始める前から、気になる業界の求人情報を見ておくと良いでしょう。
募集要項がゆるすぎる
経験・学歴・資格が完全に不問で、歓迎スキルについても言及していない求人票・求人情報もブラック企業の蓋然性が高いでしょう。
「とにかく人が足りないので、誰でも良いから来てください」状態なのかもしれません。応募のハードルが低いと「チャレンジしてみようかな」という気持ちになりますが、立ち止まってよく考えましょう。
多額の祝い金がある
入社の際に、祝い金を支給する企業があります。入社準備を整えるための資金としてありがたいものですが、多額の祝い金を出す企業はブラックかもしれません。
祝い金を餌にしてとにかく人数をそろえようと考えていたり、「これだけの祝い金を出した」という事実を作って早期退職を阻止したりしようとしていることが考えられます。
自分のスキルや入社後の担当業務にそぐわないほど高額の祝い金を出す企業には、気を付けてくださいね。
残業時間の情報がない
残業が少ない企業は、アピールポイントとしてその旨を求人票や求人情報に書くことが一般的です。また、それなりに残業があっても法を守り、きちんと手当を出す企業では、平均残業時間を明記するはず。
そのため、残業時間についてまったく触れていなかったり、あいまいな書き方をしていたりする企業では長時間残業が常態化していることや、残業代をまともに出していないといったことが考えられます。
残業時間の情報をしっかりチェックし、労働力を搾取されないように気を付けましょう!
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ブラック企業の疑いがある求人が気になったら?
求人情報が怪しくても気になる、と思う企業があった場合はもう一歩踏み込んでブラック企業かどうかを見分ける必要があります。
ブラック企業への応募を避けることが重要ですが、「こう書いてあるからブラック企業に違いない!」と思いこんでチャンスを逃すのはもったいない話。
求人票・求人情報よりも精度の高い見分け方を紹介します。
会社情報誌を読む
企業のPRではなく実態を把握するには、会社情報誌を読むことがおすすめです。会社情報誌には株式投資をする人に向けたものと、求職者に向けたものとがあるので、求職者向けを選びましょう。
3年以内の離職率や有給休暇の消化率、平均年収といったことが分かるので、ブラック企業を避けるためのツールとして大いに役立つのではないでしょうか。
企業の様子を見に行く
応募に踏み切る前に、企業の様子を見に行くこともおすすめです。深夜までオフィスに明かりがついていたり、出入りする人が疲れ切った様子だったりしないかをチェックしてください。
サービス業であれば、お客様として訪れると良いでしょう。例えばレストランなら、オーダーしてから料理が運ばれてくるまでにかかる時間で、人手不足かどうかを推測できます。また、接客係の対応が雑であれば、ブラック労働で疲れ切っていることが考えられます。
自分の目と足で確かめることも重要なのですね。
ニュースをチェックする
問題を起こした企業はニュースになります。ネットニュースの過去記事や、図書館で保存されている新聞記事を検索し、不祥事の有無をチェックしましょう。
ブラック企業というと労働者の扱いが悪い企業、というイメージがありますが、製品の偽装や不正会計などに手を染める企業にも注意が必要です。
厚生労働省の「労働基準関係法令違反に係る公表事案」を調べる
厚生労働省ではホームページで「労働基準関係法令違反に係る公表事案」を公開しています。
これは労働基準関係法令違反があった企業の名前や所在地、違反内容をまとめたもので、いわば「公認ブラック企業リスト」です。気になる企業がこのリストに載っていないかどうかをチェックしましょう。
ただし、公表日からおおむね1年経過した場合や、是正・改善があった場合、掲載し続ける必要性がなくなったと認められる場合はリストから削除されます。
また、すべてのブラック企業を掲載しているわけでもないため、目安のひとつとして活用しましょう。
参考:労働基準関係法令違反に係る公表事案について/厚生労働省ホームページ
企業に質問してみる
求人票・求人情報に書かれていないことや、あいまいで分かりにくいことがあれば、応募の前に問い合わせましょう。単に文字数の問題で、書ききれなかっただけかもしれません。
また、質問にきちんと答えてくれるか、丁寧に対応してくれるかといったところも見るべきポイント。お茶を濁すような回答だったり、受け答えが失礼だったりした場合は応募を見送ったほうが良いケースも。
プロに相談する
転職に関する悩み事は、プロに相談しましょう。ハローワークで見つけた求人に不審な点があった場合は、相談員に聞いてみてください。過去にハローワークを通じて就業した人から苦情が来ている、といったことを教えてくれるかもしれません。
また、その業界に精通した転職エージェントに相談することもおすすめ。転職エージェントが取り扱っている求人ではなくても、業界全体の傾向を把握しているので適切なアドバイスを受けられる可能性があります。
以下の記事では、転職エージェントへの相談について詳しく解説しています。併せてご参照ください。
転職エージェントを活用してブラック企業を回避しよう
ブラック企業かどうかを自分で見分ける方法もありますが、企業の実態を把握している転職エージェントを活用すれば、より良い転職を実現できるのではないでしょうか。気になっていること、心配なことをクリアにして、新天地へ向かいましょう!
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