休憩が取れないほど忙しい職場|法律的に大丈夫?今すぐ見直す働き方のポイント

忙しすぎて、今日も休憩を取るヒマがなかったという日々が続いている方もいるのではないでしょうか。人手不足や業務過多を理由に、休憩が取れない状況が当たり前になっている職場は少なくありません。しかし、「忙しいから仕方ない」と見過ごしていると、心身の不調や職場環境の悪化を招く恐れもあります。この記事では、休憩が取れない背景にある職場の実情や法律のルール、忙しい中でも休憩を確保する工夫を紹介します。

目次

休憩が取れないほど忙しい…それは誰にでも起こる働きすぎのサインかも

気づけば今日も休憩を取れずに一日が終わった。そんな日々が続いている方もいるのではないでしょうか。

接客業やサービス業などの現場では、人手不足や業務過多が常態化し、休憩が後回しにされがちです。

特に、ギリギリの人数で動く現場では「自分が抜けたら回らない」といった理由から、予定の休憩すら取れないことも。これが日常になっているなら、それは働き方に無理が生じているサインです。

疲れが抜けない、朝から身体が重い、気分が落ち込みやすいなどの変化があるなら、心身は限界に近づいているかもしれません。

「忙しいから仕方ない」と片付けず、一度立ち止まって今の働き方を見直してみましょう。

宿泊業界に詳しいアドバイザーが、あなたに合う職場をいっしょにお探しします。

宿泊業界での職務経験はありますか?

経験の有無を選択してください

忙しくても休憩は取らなきゃダメ?労働基準法で定められた休憩ルールとは

ELUTAS / stock.adobe.com

労働時間が長時間に及ぶ場合、休憩時間をしっかり確保することは、法律でも義務づけられています。

どんなに忙しくても「休憩を取らせない働き方」は許されるものではありません。

ここでは、労働基準法で定められた最低限のルールと、実際の現場で使える柔軟な運用のヒントを紹介します。

労働時間ごとに異なる最低限の休憩ルール

労働基準法では、働く時間に応じて最低限の休憩時間が明確に定められています

  • 6時間を超える労働:少なくとも45分の休憩
  • 時間を超える労働:少なくとも60分の休憩

この休憩は、労働時間の途中に与えなければならず、「終業時間を早めるから休憩なしでいい」という対応は原則として認められていません。

また、形式的にシフトに休憩時間が記載されていても、実際に取れていなければ違法と見なされるおそれがあります。

出典:労働基準法 第34条/e-Gov法令検索

分割でもOK?現場での柔軟な休憩の取り方

休憩時間は、必ずしも1回でまとめて取る必要はありません。厚生労働省は、「必要に応じて数回に分けて与えても差し支えない」という見解を示しています

たとえば、1時間の休憩を「30分ずつ2回」や「45分と15分」に分けるといった方法は、現場の状況に応じて認められます。

ただし、1回あたりが極端に短いと注意が必要です。「10分休憩×6回」のように細かく分けすぎると、自由に休める時間として機能せず、休憩と見なされないことがあります。

また、休憩は「労働時間の途中に与えること」が原則です。勤務の前後にまとめて取らせるような運用も避けなければなりません。

出典:休憩時間を分割する場合どのようなことに注意が必要でしょうか。/厚生労働省

ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事

なぜ休憩が取れない?忙しい職場でよくある3つの原因

David / stock.adobe.com

「本当は休憩を取りたいのに、どうしても休めない」。そんな状況には、単なる忙しさ以上の理由が隠れていることがあります。

ここでは、休憩を取りにくい職場でよく見られる3つの典型的な要因を紹介します。

人手不足・タスク過多で物理的に休めない

最も多いのが、人員体制がそもそも足りておらず、「誰かが抜けると回らない」状態が常態化しているケースです。

開店から閉店までノンストップ、入れ替わりのスタッフもいない。シフト表には「休憩1時間」と書かれていても、実際は業務に追われて確保できない。

こうした状況では、休憩を取る余裕というより、そもそも休むための時間も人手も存在しないのが現実です。

接客・電話など中断しにくい業務の特性

接客や電話対応のように、業務を途中で中断しづらい仕事では、自分のタイミングで休憩に入ることが難しい場合があります。

「あと一組だけ」「次の問い合わせが終わったら」といった対応を続けているうちに、休憩を取るタイミングを逃してしまうこともあります。

特に、業務量や来客数の変動が大きい職場では、休憩の予定を組みにくく、気づけばそのまま一日が終わってしまうことも少なくありません。

「みんな我慢してるから自分も…」という空気

制度上は休憩が用意されていても、職場の雰囲気が「みんな我慢しているのだから、自分も我慢するべき」という空気に支配されていると、取りたくても取りにくくなります。

周囲に遠慮して休憩のタイミングを逃したり、「今は忙しいからあとで…」と言い出せなかったりといった状況が続くと、次第に休憩を取ること自体が悪いことのように感じてしまうかもしれません。

こうした空気が続くと、職場全体に無言の圧力が生まれ、結果的に誰も適切に休憩を取れない状況を作ってしまいます。

忙しくても休憩を確保するために現場で実践できる工夫

mapo / stock.adobe.com

どんなに忙しい職場でも、まったく休憩を取れない状況が続くのは、心身の健康にも業務効率にも悪影響を及ぼします。

現場の中でできる範囲で、少しでも休める工夫を取り入れることで、働き方を改善できる可能性があります。

上司に相談するなら「記録と提案」がカギ

単に「休憩が取れないんです」と伝えるだけでは、上司に状況の深刻さが伝わらないこともあります。

相談の際は、「いつ・どんな業務が重なって休憩を取れなかったのか」を簡単なメモで記録しておき、それをもとに具体的な改善策の提案を添えて話すことが効果的です。

たとえば、「〇時~〇時に応援があれば休憩に入れると思います」といった現実的な提案があると、受け止めてもらいやすくなります。

個人の不満ではなく、職場全体の改善にもつながる視点を持つことが大切です。

シフト・業務配分の見直しで隙間時間を作る

日々のシフトや業務の割り振りを少し見直すだけで、休憩を取りやすくなることがあります。

たとえば、休憩に入るタイミングが毎回後ろ倒しになってしまう場合は、特定の時間帯に業務が集中しすぎていないかを確認することが有効です。

「ピーク帯にベテランを配置する」「早番・遅番の交代タイミングを明確にする」など、少しの工夫で誰かが抜けても回る余裕が生まれる場合もあります。

こうした見直しは、上司やチームで共有しながら進めると現実的に実行しやすくなるでしょう。

マイクロブレイクや交代制で「休める仕組み」を作る

どうしても長時間のまとまった休憩が難しい現場では、「マイクロブレイク(小刻みな休憩)」や「交代制」を取り入れる工夫も役立ちます。

マイクロブレイクとは、5〜10分程度の短い休憩をこまめに挟む方法のこと。

法的に定められた休憩時間(45分または1時間)にはカウントされないケースもありますが、体力や集中力を保つためのセルフケアとしては非常に有効です。

「少し椅子に座る」「水を飲む」「外の空気を吸う」など、ほんの数分でも身体をリセットするだけで疲労感が和らぐことがあります。

また、「1人が休憩中は別のスタッフが必ずカバーに入る」といった交代制ルールを明確にしておけば、誰かが休憩を取り損ねるリスクも減らせます。

ただし、法定休憩として認められるには、「労働からの解放」と「まとまった時間」が必要です。

したがって、マイクロブレイクはあくまで補助的な工夫として取り入れ、本来の休憩時間が確保される体制づくりが重要です。

「どうしても限界」なら休憩がきちんと取れる職場を探すという選択肢も

milatas / stock.adobe.com

どんなに工夫しても休憩が取れない、体力も気力も限界…そんなときは、無理を続けるより環境を変えることも一つの方法です。

実際に、休憩をしっかり確保できる職場もあります。すぐに辞めなくても構いません。まずは、どんな働き方ができるかを知ることから始めてみましょう。

無理なく休める職場は実在する。業界・企業の傾向は?

「どこに行っても同じじゃないの?」と思ってしまうかもしれませんが、しっかり休憩を確保できる職場は実際に存在します。

業界によって傾向はありますが、同じ業種内でも「会社ごとの方針」や「人員体制の余裕」によって働きやすさは大きく異なります。

たとえば、交代制をしっかり整えていたり、ピークタイムを避けて休憩に入れる仕組みを取り入れていたりする店舗や施設もあるからです。

また、比較的余裕を持った人員配置をしている企業では、「休憩も含めて仕事の一部」として大切に扱われているケースもあります。

今の環境が「忙しくて休憩が取れないことが当たり前」になっていると、ほかの選択肢に気づきにくくなりがちです。

しかし、視野を広げてみれば、休憩をきちんと取れる職場はちゃんと存在します。

求人情報で見るべき「休憩」に関するポイント

求人票を見るときは、「勤務時間」や「シフト制」の情報だけでなく、「休憩」についての記載にも目を向けましょう。

単に「休憩あり」「休憩1時間」と書かれていても、現場の実態と異なることは少なくありません。具体的には以下のような点をチェックしてみてください。

  • 実働時間に対して休憩時間が十分にあるか
  • シフト交代制が明記されているか
  • 「休憩時間も含めて○○時間」といった曖昧な記載がないか

また、面接時に「1日のスケジュール」「休憩に入るタイミング」などを具体的に聞くことも重要です。

遠慮せず、働きやすさの条件として休憩の取りやすさを自分の中で優先順位に入れることが、後悔のない転職につながります

転職=即決断ではない。情報収集やキャリア相談から始めよう

「もう辞めたい」と思っていても、すぐに退職するのは不安が大きいもの。

しかし、転職活動は「いきなり辞めて次を探す」ということではなく、まずは情報を集めたり、信頼できる第三者に相談したりするところから始められます。

たとえば、転職エージェントを活用すれば、あなたの希望条件や不安を聞いたうえで、休憩制度などの働きやすさに配慮された職場を紹介してくれます。

また、在職中の限られた時間でも進められるよう、書類作成や企業とのやりとりを代行してくれるため、「忙しくて転職活動ができない」という人にも心強い味方になるでしょう。

「今すぐ辞める」のではなく、「今のままでいいのか、ほかに選択肢があるのか」を確認するための第一歩として、行動してみるのもひとつの手です。

もし、ホテル・旅館での仕事に興味がある方は、ぜひ一度おもてなしHRにご相談ください。

希望に合った働き方ができる職場をご紹介しながら、無理なく休憩が取れる環境への転職をサポートします。

おもてなしHRに相談してみる

「忙しすぎて休憩できない」という悩みに関するよくある質問

meeboonstudio / stock.adobe.com

「この働き方、ほんとはダメなのでは?」などの不安を感じたときに役立つ、休憩に関する法律・職場での対処法・転職時のチェックポイントなど、よくある質問への回答をまとめました。

数分でも休憩を取れば、法律的には問題ないですか?

労働基準法では、6時間を超える勤務で45分以上、8時間を超える勤務では60分以上の休憩が義務づけられています。この時間を分けて取ること自体は原則として問題ありませんが、1回あたりがあまりに短いと、実質的に「休憩」として認められない可能性もあります。

管理職には法律上でも休憩の義務がないって本当?

法律上、いわゆる「管理監督者」は労働時間や休憩の規定が適用されません。ただし、役職名だけで判断されるわけではなく、実際に勤務時間の裁量があるかどうかがポイントです。名ばかり管理職のように、実質的に一般社員と同じ働き方をしている人は、通常どおり休憩を与える必要があります。

「休憩なしで早く帰る」は法律的に認められますか?

食事中であっても、業務の話をしていたり、上司からの指示や報告があったりするような場は、休憩とはみなされません。休憩とは「労働からの完全な解放」が前提とされており、形式的に食事をしているだけでは休憩時間として扱われない点に注意が必要です。

法定休憩が取れないのに申告しづらいときは、どうすればいい?

まずは、「いつ・なぜ休憩が取れなかったのか」を記録し、状況を客観的に整理しましょう。そのうえで、感情的ではなく事実ベースで上司に伝えることがポイントです。言い出しにくいときは、同じ悩みを持つ同僚と一緒に相談するか、書面で伝える方法もあります。

休憩が取れる職場かどうか、求人で見極めるには?

求人票には「休憩あり」と書かれていても、実際には取れない職場もあります。実働時間と休憩時間のバランス、交代制の有無、現場の口コミなどをチェックしましょう。また、面接で「休憩に入る時間帯は決まっていますか?」など、具体的な質問をしておくと安心です。

忙しくて休憩が取れない現状から抜け出すための一歩を踏み出そう

休憩が後回しになり、いつの間にか休むこと自体をあきらめてしまっている。そんな働き方が続いているなら、少し立ち止まって、自分の働き方を見直してみませんか。

疲れが抜けない日々を当たり前にせず、きちんと休憩を取れる環境で働くことは、自分を守るためにも大切なことです。

小さな工夫から始めるのもよいですし、働く場所を変えるという選択もあります。

もし「今の職場ではもう限界かもしれない」と感じたら、休憩をしっかり確保できる職場に目を向けてみましょう。

おもてなしHRでは、ホテル・旅館業界に特化した求人を多数掲載しています。働き方に不安がある方や、今より無理なく働ける職場を探したい方は、まずはお気軽にご相談ください。

おもてなしHRに相談する

宿泊業界に詳しいアドバイザーが、あなたに合う職場をいっしょにお探しします。

宿泊業界での職務経験はありますか?

経験の有無を選択してください

ページ上部へ戻る
ホテル・旅館のお仕事無料転職相談

希望勤務地を選択してください

複数の希望勤務地を選んでいただくと、ご提案できる求人が増える可能性があります!

ホテル・旅館様 限定

宿泊業採用ノウハウ
毎週お届け

競合他社の最新動向や、オススメ求職者の情報などをお届けします!

    利用規約 / 個人情報取扱いに同意の上ご利用下さい

    メルマガ登録を受け付けました

    おもてなしHR・宿泊施設様向けメルマガにご登録いただきありがとうございました。 万が一メールが届かない場合は、info@omotenashi.workまでお問い合わせください。