和食の出し方にもマナーがある!
世界中で親しまれている和食は「一汁三菜」という料理の構成があり、主菜が一品、副菜が二品、汁物が一品を基本としてバランスの良い食事が心がけられているそうです。
和食には、料理の出し方にも古くから大切にされてきているマナーがあります。料理の形式だけでなく、出し方のマナーも重んじることは、お客様を喜ばせることにつながるのです。
料理の出し方ひとつでお店や、料理の出来栄えへの評価は大きく変わるので、マナーは決して軽視することはできません。
改めて和食における料理の出し方のマナーを学び、お客様に和食の魅力を伝えていきましょう。
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日本料理の出し方のポイント
和食の料理の出し方には、基本のポイントがあります。マナーを知ることは、一人ひとりのお客様に対して丁寧に向き合う姿勢にも直結します。
3つのポイントを紹介いたしますので、忘れないようにしてくださいね。
手前の右は汁物、左はごはん
お客様から見て手前右には汁物、手前左にはご飯を置きましょう。
日本には昔から左側に重要なものを配置する習わしがあることから、主食のご飯を左側に置くことが決まっています。
汁物とご飯を逆に置くと、仏壇へのお供えを意味してしまうので間違わないように注意してください。
おかずは奥
和食のおかず類は、すべて汁物とご飯の奥に配膳しましょう。
詳しい位置は
左奥 → 副菜
中奥 → 副々菜
です。ちなみに、お漬物は三菜の中には含まれていないので、汁物とご飯の間に置くのが正しい出し方でしょう。
箸は手前正面
箸を置く場所は、お客様から見て手前正面です。
もし左利きのお客様がいらっしゃったら、料理の並べ方の向きはそのままで箸の向きだけを反対にするようにしましょう。
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【Q&A】和食の料理を出すときに心得たいこと
和食の料理を出し方についてのポイントをお伝えしましたが、次は料理を出すときに注意したいことを解説いたします。
いままで曖昧になっていたマナーなどがあれば、この機会に小さな不安を解消してしまいましょう!
残っている料理は下げてもいい?
残っている料理は、お客様から「下げてほしい」と申し出があった場合は下げても問題ありません。しかし、こちらからお客様に料理を下げても良いか確認するのは、なるべく避けたほうが良いでしょう。
ただ、「テーブルに料理を出すスペースがなくなりそう」などの都合で料理を下げたいときもありますよね。そのときは必ずお客様に確認し、返答次第で柔軟に対応するようにしましょう。
たとえば、お客様に「あとでまた食べようと思っています」という返答があった場合は、小さいお皿に改めて盛り付けるなどの提案をしてみてくださいね。
料理を出すときは、右側と左側のどちらからがふさわしい?
和食の料理は、左側からお客様に出すようにしましょう。
お客様が右利きであるケースが前提ですが、箸を右手で持っている場合、左から料理を出すことで料理とお客様の手がぶつかるのを避けられます。
反対に、料理を下げる場合は「失礼します」と声をかけたあとに、右から配膳するのが基本です。あえて利き手のほうから声をかけることでお客様の箸を止め、こちらに注意を向けてコミュニケーションを取るきっかけ作りにつなげられるのです。
料理を出す際は、お客様の利き手を確認してから出すと良いかもしれませんね。
料理の出し方ひとつで、和食の趣きや魅力が変わる!
和食に限ったことではありませんが、料理の出し方ひとつで料理やお店、スタッフへの評価が全く違うものになります。
和食の料理に携わる一員なのであれば、和食のマナーを通してお客様におもてなしの気持ちを伝えるのと同時に、和食の趣きや魅力を伝える役目があることも自覚しておきましょう。
料理のジャンルごとに「マナー」があるので、和食だけではなくさまざまなルールを学び、違いが分かるようになると面白い発見があるかもしれませんよ。