観光シーズンになると多くの人が押し寄せるのは、有名観光地の宿命ともいえる光景でしょう。
観光による経済効果は大きく、積極的に観光客誘致を進める自治体も多いです。エコツーリズムとは、そうした従来の旅行のあり方とは違った過ごし方を提案するものです。
当記事では、エコツーリズムとは何か、事例、今後の課題などについてわかりやすく紹介しています。観光業に携わる人も、旅行好きの人も、一度じっくりと考えてほしい問題です。
エコツーリズムとは
エコツーリズムとは、エコロジーとツーリズムを組み合わせた造語。エコロジーは生態学や自然環境保護運動などと訳され、ツーリズムは旅行です。
環境省によると、エコツーリズムの定義は以下の通り。
エコツーリズムとは、地域ぐるみで自然環境や歴史文化など、地域固有の魅力を観光客に伝えることにより、その価値や大切さが理解され、保全につながっていくことを目指していく仕組みです(出典:環境省「エコツーリズムとは」)
- 自然環境の保全
- 観光振興
- 地域振興
- 環境教育の場としての活用
基本理念はこの4つです。

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エコツーリズムが目指す3つの目的

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エコツーリズムは、単なる自然の中の旅行ではありません。その根底には、地域の未来を守り、育てるための3つの大きな柱があります。
地域の宝を伝える
どんなに美しい絶景や独自の伝統文化も、その価値が知られなければ消えてしまうかもしれません。
観光を通じて、その土地ならではの資源を外の人々や、そこに住む地域の人々へも広く発信し、認識してもらうことが最初のステップです。
その土地を深く理解してもらう
表面的な観光だけでなく、その場所の歴史や自然の成り立ちといった物語を知ることで、旅の体験はより豊かなものになります。
深い理解は土地への愛着を生み、それが「この美しい環境を壊してはいけない」「大切にしたい」という環境保護への強い意識に繋がります。
地域振興による持続可能な好循環
自然を守ることと経済活動を両立させ、ビジネスとして自立させることも重要です。
観光客が訪れることで地域にお金が回り、その利益がさらなる自然保護や文化継承に投資される。この「守れば守るほど地域が豊かになる」というサイクルを作ることが、究極のねらいです。
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エコツーリズムの発祥と歴史:壊す観光から守る観光へ

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エコツーリズムという考え方は、近代の急速な発展に対する反省から生まれました。その歩みを振り返ると、観光のあり方がどう変化してきたかがよく分かります。
この状況を打破するため、「自然を守りながら旅を楽しむ」概念として本格的に提唱され始めました。
単なる見学ではなく、「学びのある旅のスタイル」として徐々に市民権を得ていきました。
これにより、自治体・住民・事業者が一体となって取り組む「持続可能な地域づくり」の核として確立されました。
日本の二大聖地:屋久島と白神山地の現状と課題

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日本のエコツーリズムを語る上で欠かせないのが、1993年に日本初のユネスコ世界自然遺産となった屋久島と白神山地です。この2つの地域は、世界遺産登録後の光と影、そして日本が抱える課題を浮き彫りにしています。
屋久島(鹿児島県):ガイド文化の定着とオーバーツーリズム
屋久島はいち早くエコツーリズムの仕組みを構築しました。現在では約100名ものガイドが活躍し、森歩きやカヤックを通じて自然の価値を伝える体制が整っています。
インバウンドの増加で賑わう一方、山岳部でのし尿処理やゴミ問題、遭難事故など、観光客が増えすぎることによる環境負荷(オーバーツーリズム)が深刻な課題となっています。
白神山地(青森県・秋田県):仕組み作りの遅れと多角的な調整
世界遺産登録後、急増する観光客に対して組織的なガイド体制の整備が遅れ、当初は個人ベースの対応にとどまっていました。
2002年から認定ガイド制度が始動したものの、広大な面積が複数の自治体にまたがるため、管理方針の統一が難航。現在は利用者数の減少も指摘されており、官民一体となった持続可能な利用の再構築が求められています。
日本のエコツーリズムは、こうした成功と失敗を繰り返しながら、より高度な管理体制やマナー向上を目指している発展途上の段階にあります。
エコツーリズムが抱える現代の課題

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自然保全への意識が世界的に高まる中、エコツーリズムは持続可能な観光の切り札として期待されています。しかし、現場では理想と現実の狭間で揺れる2つの深刻な課題に直面しています。
「保護と活用の両立」は永遠のテーマです。人気が出れば出るほど、ゴミ問題や踏み固めによる植生破壊など、観光客自身が自然を傷つけてしまうリスクがあります。
土地のストーリーを伝えるガイドは旅の主役。しかし高齢化が進み、若い世代への技術継承が大きな課題となっています。
「持続可能な未来」を支えるスタッフへ
これらの課題を乗り越え、真に価値のあるエコツーリズムを実現するためには、最前線で働く宿泊スタッフやガイドの「高い意識」が不可欠です。
- 環境保全の取り組みを、お客様にポジティブに伝えられるようになりたい
- 地域の自然を守りながら、持続可能な収益を上げる仕組みに携わりたい
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