入社前オリエンテーションでは何をする?
オリエンテーションの語源はラテン語で東を指す「Orient」。太陽は東から昇るため「方向付け」や「教育的指導」といった意味合いで、広く使われてます。
オリエンテーションの代表例として挙げられるのは、内定者を対象とした入社前オリエンテーションです。
1日〜3日程度で実施されるケースが多く見受けられますが、入社前オリエンテーションでは具体的に何をするのでしょうか。
一般的な入社前オリエンテーションの内容や、参加の際の心構え、給与が発生するのか否かを見ていきましょう。
宿泊業界に詳しいアドバイザーが、あなたに合う職場をいっしょにお探しします。
宿泊業界での職務経験はありますか?
代表的な入社前オリエンテーションの内容
入社前オリエンテーションへの参加は緊張するものですが、ある程度の内容が分かっていれば、安心して臨めるでしょう。入社前オリエンテーションの代表的な内容としては、以下のような項目が挙げられます。
自己紹介
どの企業でも、入社前のオリエンテーションでは自己紹介の時間を設けることでしょう。
出身大学や入社の理由といったことから、趣味や休日の過ごし方まで自己紹介の題材はさまざまです。話す内容を複数考えて行けば、当日、慌てずに済むのではないでしょうか。
会社の説明
会社の説明は、説明会や面接の段階で受けているものですが、それはあくまでも概要です。入社前のオリエンテーションでは、就業規則や評価制度といった細かい部分を説明されることがあります。
入社後、困ることがないように、しっかりと聞きましょう。
グループワーク/グループディスカッション
内定者同士の親睦を深めたり、チームワークを学んだりする目的で、グループワークやグループディスカッションを実施する企業は多いでしょう。
ちょっとしたゲーム大会が開催されることもあり、入社前オリエンテーションの中では最も盛り上がる要素かもしれません。屋外でのウォークラリーなど、アクティビティがある場合も。
座学研修
パソコンの基本操作やビジネスマナー、電話応対のロールプレイングなど、入社前オリエンテーションで座学研修を実施する企業もあります。
特に、新卒社員の入社前オリエンテーションでは、座学研修に力を入れることが多いでしょう。この時点から、社会人としての第一歩を踏み出すのですね。
職場見学・OJT
職場見学やOJTも、入社前オリエンテーションの定番プログラムです。働きだしてからのイメージを、より具体的に描けるようにすることが目的と言えるでしょう。
先輩社員の仕事を間近で見学したり、実際の業務に触れてみたりと、実りのある研修になることでしょう。
懇親会
同期や先輩、上司になる人々との懇親会は、安心して入社するためのイベントです。入社日を迎え、いきなり知らない人の中に飛び込むよりは、事前に顔を合わせておいた方が気持ちが楽になるでしょう。
入社前オリエンテーションは実施せずに、懇親会だけ開催する企業もあります。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
入社前オリエンテーション参加の心構え
入社前オリエンテーションは、その後の社会人生活に影響を与える重大事項。どのような心構えで臨むべきか見ていきましょう。
当事者意識を持つ
集団で参加する入社前オリエンテーションは、「顔を出しているだけ」という状態になりがちです。しかし、これから自分が働く会社についての詳しい説明を受けたり、同期とファーストコンタクトを取ったりする大切なイベントであることを忘れてはなりません。
当事者意識を持って、参加しましょう。入社前オリエンテーションで収穫を得るには、自分なりの目標を持つことがおすすめです。
「同期〇人に自分から声をかける」「○○についての理解を深める」といった、テーマを決めると良いでしょう。
「新人である」という立場を活用する
入社前オリエンテーションに参加する段階では、あなたはまっさらな新人です。その立場を活用し、疑問点はどんどん質問しましょう。
基本的なことや社会人として当然のことを聞いても恥ずかしくないのは新人のうちだけです。また、新人は知識よりも意欲的な姿勢が評価されるため、入社前オリエンテーションで積極的に質問をすると、良い印象を持ってもらえるかもしれません。
きちんとした服装で参加する
入社前オリエンテーションに参加する際の服装は、スーツが適切です。しかし、案内に「服装自由」「平服でお越しください」などと書かれている場合は判断に迷うかもしれません。
判断に迷ったら、やはりスーツが無難です。ただし、「服装自由」「平服でお越しください」と書かれている以上は、スーツ以外の服装で参加しても間違いではありません。きちんと感を守ったオフィスカジュアルでもOKです。
また、アパレルショップや美容院などの、センスを問われる業界では、個性を光らせても良いでしょう。
オフィスカジュアルのコーディネートについては、以下の記事で詳しく解説しています。併せてご一読ください。
ビジネスマナーを守る
入社前の段階であっても、最低限のビジネスマナーは守りましょう。
開始時間の5分前には到着する、受付の人にきちんと挨拶をするといった基本的なことは、新卒入社であってもできて当然です。
ビジネスマナーに不安がある場合は、新卒向けのビジネス指南書を読むなど、自主勉強しましょう。
企業の対応をチェックする
入社前オリエンテーションでは、採用試験の段階では分からなかった企業の姿が見えてくるもの。担当者の態度や言葉遣いをしっかりチェックしましょう。
入社前オリエンテーションでの対応が、明らかにおかしかったことが決め手で、内定を辞退したという話もたまに聞きます。
入社ギリギリの段階になって引き返すのは勇気がいる決断ですが、本当に入社すべき企業かどうかを見極める意識を持って、参加してくださいね。
入社前オリエンテーションで給与は出る?出ない?
本格的な業務ではないと言っても、入社前オリエンテーションは時間も労力もかかることです。給料が発生するのかどうかは気になるポイントですよね。
入社前オリエンテーション参加者に給料を出すか出さないかは、企業によって対応が異なります。
参加が任意であり、入社前オリエンテーションの目的が、業務上必要な知識や技能の習得ではない場合は支給義務がないという見方もあります。
しかし、任意参加としていても参加しないことによる不利益(入社前から評価を下げられる、入社後の給料を引かれるといったこと)があるなど、事実上の強制参加であったり、最初から強制参加で、業務に関することを学ぶのに給料を出さなかったりという企業も存在している模様です。
また、人手不足が深刻な職場では「入社前オリエンテーション」と称して、無給で現場の仕事をさせることも。
きちんとした企業であれば、入社前オリエンテーションにかかった時間だけ時給で支払ったり、アルバイトとして雇ったりするなど、内定者に不利益が出ないようにするはずです。
このような部分にも、企業の姿勢が表れます。明らかに理不尽だと感じる場合は、労働基準監督署への相談や、内定辞退も視野に入れて身の振り方を考えましょう。
なお、就職活動・転職活動をやり直す場合には、転職エージェントの活用がおすすめです。以下の記事では、転職エージェントを活用するメリットについて、詳しく解説しています。併せてご一読ください。
入社前オリエンテーションには真摯な気持ちで参加しよう!
入社前オリエンテーションは本格的に業務が始まるわけでもなく、数日間で終わるものです。しかし、いい加減な気持ちで参加することはNG。
企業への理解を深め、これから先の方向性を定めるためにも真摯な姿勢で臨みましょう!