入社後の給料が求人票と違う……
給料は、就職や転職において最も重要な要素の1つ。
記載されている給料の情報を基に、応募先を決めるという方は少なくないはずです。
しかし、入社して初めての給与明細を見たら、求人票の給料と違う……と困惑するケースがあります。
求人票の給料よりも高ければ問題ありませんが、低いとなると大問題です。
ただし、求人票と実際の給料が違うというのは、決して珍しい話ではありません。
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入社後の給料が求人票の給料と違うのはなぜ?
転職活動では、求人票に記載されている給料を参考に希望条件を絞り込むものです。しかし、いざ入社してみたら、給与明細に記載されている金額が求人票の給料と違うことが発覚するケースは少なくありません。なぜこのようなことが起こるのかを紹介します。
交渉可能な範囲が記載されていた
求人票に記載されている給与は、あくまで「目安」である場合があります。
応募者との面接や職務経歴書などを基に、個別に給与を決定するケースは少なくありません。
求人票に「経験・能力に応じて決定」などと記載されている場合は、交渉可能な範囲であることを示唆している可能性があります。
経験やスキルに不足があった
求人票に記載されている給料は、応募職種における社内の平均的な額を示しているということもあります。
給料は経験やスキルによって増減するもの。社内の平均的な経験やスキルに達していないのであれば、給料が減るということもあるでしょう。
求人票には「月給25万円〜」と記載されていたとしても、経験やスキルの不足度合いによっては求人票の給料よりも少なくなることもあるようです。
しかしこの場合は、資格を取得したりスキルアップが認められたりすれば、求人票通りの給料がもらえる可能性が高いでしょう。
基本給と月給に違いがあった
求人票に記載されている給与が「基本給」か「月給」かによって、実際の手取り額が大きく異なる場合があります。
基本給は残業代や各種手当が含まれていない金額であるのに対して、月給は基本給に固定手当が含まれた金額です。
条件に該当しないことで固定手当が満額支給されないようなことがあれば、求人票の給料よりも実際の給料が低くなる場合があります。
反対に、基本給25万円の求人で、手当や残業代が月3万円程度あれば、実際の給料は28万円程度になります。
見込み年収が高かった
求人票に記載されている給料に「見込み年収」があった場合、実際の年収はこれよりも低くなることが少なくありません。
見込み年収は、残業代や各種手当、ボーナスなどを含めた年間収入の目安であり、必ずしも確実に支払われる金額ではありません。
求人票に「年収500万円」という記載があっても、例年よりもボーナスが低いことなどを理由に、年収が500万円に満たないということは十分にあり得ます。
見込み年収は、あくまでも「見込み」であると心得ておきましょう。
天引きされる項目が多い
求人票に記載されている給料はあっていても、以下のような天引きされる項目が多いことで実際の給料が低くなることがあります。
- 社会保険料
- 所得税や住民税など
- 労働組合費
- 財形貯蓄
天引きされる項目は企業によって異なりますが、項目が多いほど、求人票の給料との差は大きくなるでしょう。
求人票の給料と数万円差分が出ることは珍しくありません。
制度の変更があった
求人票の掲載後、企業の業績悪化や人件費削減などの理由で、給与体系が変更される場合があります。
このような場合は、求人票に記載されている給与よりも低い給与で働くことになってしまう場合があります。
記載ミスがあった
求人票の作成過程において、担当者の入力ミスや情報伝達の誤りがあるということもありえます。そのまま求人票が公開されることで、実際の金額との間に差が生まれてしまいます。
また、古い求人票を使いまわして、情報が更新されていないということもあるでしょう。
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入社後の給料が求人票の給料と違うのは違法ではない?
求人票に記載されていた給料と実際に支払われる給料が異なっていても、違法であると判断されることは少ないようです。
ただし、大幅に異なるような場合は、違法になる場合もあります。
違法となるケースは以下のような場合です。
- 虚偽の記載:明らかに事実と異なる情報を記載して、応募者を欺いている場合
- 契約違反:採用後に労働契約書で合意した給与条件を一方的に変更した場合
- 誤解を招く表現:求人票に曖昧な表現を使用し、実際の条件と大きく異なる印象を与えた場合
求人票の記載内容については、職業安定法第65条で以下のように定められています。
ただし、求人票は多数の求職者に向けて書かれたものです。
入社後の条件は経験やスキルによって異なるため、求人票に個人の雇用契約と全く同じ内容を書くことは困難です。
そのため、故意に虚偽の情報や誇大な内容を記載したことの証明がしにくいため、違法かどうかを判断するのは難しいようです。
入社後の給料が求人票と違う場合の対処方法は?
実際の給料が求人票の給料と違うケースは少なくないとはいえ、あまりに違うようなことがあれば、何かしら対処したいものですよね。ここからは、どのような対処方法があるのかを紹介します。
会社と話し合う
まずは、上司や担当部署などに事情を話し、給料に関する説明を求めるのがベターです。
その他に信頼できる人がいる場合は、軽く相談してみてもよいでしょう。
もしかしたら、他にも同様の相談をしている人がいるかもしれません。そのような場合は、企業側の手違いが起こっている事も考えられます。
もし、「説明を促してもまともに取り合ってくれない」「請求しても支払われない」というときは、他の方法も検討してみましょう。
弁護士に相談する
求人票に書かれていた給料が「月給30万〜」となっていたのに、実際は15万円であったなど、明らかに虚偽があると判断できるような場合は、弁護士に相談してみましょう。
求人票の給料と違うと感じるのは、たいてい入社後すぐでしょう。
社内の誰に相談したらよいのか分からなかったり、立場を考えると行動しにくかったりする方もいるはずです。
法律のプロでもある弁護士が代理人としてトラブルの対応を担ってくれれば、安心して任せられるのではないでしょうか。
想定していた給料より実際の給料が低すぎるような場合は、生活に支障がでてしまいます。できるだけ早めに相談したりサポートを受けたりしたほうが、今後の判断がしやすくなるはずです。
労働基準監督署に相談する
法律に違反しているケースであれば、労働基準監督署に相談する方法もあります。
会社に注意を促してもらえれば状況が改善されるかもしれません。
しかし、労働基準監督署からの指導や勧告には強制力がないうえに、個人のトラブルにはあまり関与してくれないという意見もあります。
また、労働基準監督署に相談したことが会社に知られてしまうことで、いづらさを感じるようなこともあるかもしれません。
労働基準監督署への相談は、最終手段と考えた方がよさそうです。
転職する
求人票の給料と実態の給料が明らかに違うと、将来への不安が大きくなっていまいます。
相談しても企業が誠実に対応してくれない場合は、転職を視野に入れることも一つの選択肢です。
求人票と給料が違うという経験をしたことで、転職に不安を感じている場合は、転職エージェントの利用がおすすめです。
希望条件にあった求人を紹介してもらえたり、応募前に企業の情報を教えてくれたりするため、入社後に「こんなはずでは……」と思うようなトラブルが起こることを防止することができます。
なお、宿泊業界への転職を検討している方は「おもてなしHR」にご相談ください。よりよいキャリアが築けるよう、転職活動をサポートさせていただきます。
求人票と給料が違うことで悩んでいるなら転職を視野にいれよう!
実際に支払われる給料が求人票と違うことに気づいたら、まずは給与明細をよく確認しましょう。
認識を誤っていたことが原因である場合もあります。
もし、求人票の給料と大幅に違っていたり、求人票に虚偽と思われる内容があったりしたら、転職を検討してみてもよいでしょう。
早期転職になることが気がかりであったり、同じことが起こってしまうのでは……と不安になったりする場合は、転職エージェントの活用を検討してみてください。
転職エージェントを利用して求職活動をおこなえば、企業に聞きづらいことも代わりに問い合わせてくれますので、事前に給料の情報を確認することができます。
ホテルや旅館など、宿泊業界への転職を検討されている場合は「おもてなしHR」にご相談くださいね。