ホテルのマーケティングはどのような仕事?
ビジネスニュースなどでよく耳にする「マーケティング」とは「世間のニーズを探って顧客が求める商品やサービスを作って届ける」という概念。ホテルにおいても魅力的な施設や宿泊プランを作り、顧客を獲得するためのマーケティングが実施されています。
具体的にどのような活動をしているのか、一般的な手法や取り組み事例を見ていきましょう。ホテル業界やマーケティングの仕事に興味のある人は参考にしてくださいね。
宿泊業界に詳しいアドバイザーが、あなたに合う職場をいっしょにお探しします。
宿泊業界での職務経験はありますか?
ホテルにおけるマーケティング戦略
マーケティングにはスタンダードなやり方や、時代に合ったトレンドがあります。現代のホテルに適したマーケティング手法の代表例を紹介します。
ペルソナ設定
ホテル業界に限らずマーケティングの第1歩は「ペルソナ設定」です。ペルソナ設定とは、ユーザーグループを象徴する架空の人物像を思い描くこと。
年齢・職業・家族構成といった基本情報から、趣味や休日の過ごし方、最近の悩み事など細かな部分まで設定を作り、できあがったペルソナに響くマーケティング戦略を考えていきます。
ホテルの利用者は幅が広いため、複数のペルソナ設定が必要です。ビジネス客、観光客、ひとり旅、カップル、家族旅行、インバウンド客など多岐にわたるペルソナを作り、さまざまな属性のお客様の獲得を目指すのですね。
アウトバウンドマーケティング
アウトバウンドマーケティングは、テレビ・ラジオのCMや看板などで、外向きに宣伝を出す昔ながらの手法です。多額の費用がかかるため、綿密にペルソナ設定を練り、ターゲット層の目に触れることを考えなければなりません。
ホテルであれば旅番組の間にCMを流したり、旅行雑誌に広告を載せたりするのが効果的と言えるでしょう。また、CM・看板の内容やデザインもターゲット層の興味をひくものであることが重要です。
デジタルマーケティング
デジタルマーケティングは現代のトレンドです。どこのホテルもホームページを開設していることは当たり前の時代ですよね。さらにSNSを使ったり、インフルエンサーを起用したりと、若い世代に強くアピールすることに力を入れているホテルは少なくありません。
最新情報をいち早くユーザーに届けられる、ターゲット層と直接やり取りができるといったことも、デジタルマーケティングならではの長所です。
また、ユニークな情報を発信して話題に上れば、ホテルの知名度が一気にアップすることもあるでしょう。
口コミマーケティング
口コミマーケティングは、口コミを活用したマーケティング方法です。宿泊予約サイトやインターネット上のマップなどには、施設の口コミを投稿・閲覧できる機能がありますよね。
初めて宿泊するホテルを選ぶ場合、こうした口コミを参考にする人は多く、悪い評価が目立ったり、口コミ投稿が少なかったりする施設は避けられがちです。
口コミ投稿をしてくれたお客様にちょっとしたプレゼントを用意するなど、口コミ投稿の活性化を促す工夫をしているホテルがあるのはそのためでしょう。
お友達紹介や、ホテル名のハッシュタグを付けてSNSに投稿することで宿泊券が当たるキャンペーンなども口コミマーケティングの手法です。
ただし、お客様は率直な感想を投稿したり、友人・知人に伝えたりするので狙い通りに進まないことも少なくないでしょう。口コミマーケティングで効果を狙うなら、サービスの質を高め、お客様との信頼関係を築くことが必要不可欠です。
ブランドマーケティング
ブランドマーケティングは、ホテルの認知度を高め、イメージを浸透させるための長期的なマーケティングです。
「○○ホテルと言えば食事が美味しい」「安くて便利なビジネスホテルと言えば○○ホテル」といったイメージを根付かせ、ホテルの付加価値をアップさせるための取り組みと言えるでしょう。
ブランドマーケティングは信頼が命です。長年、コツコツとブランドマーケティングに取り組み、ホテルの名前とイメージが広がっても、1度不祥事を起こせばすべてが水の泡になってしまうでしょう。
また、「質の高いおもてなし」というイメージが根付いたホテルで雑な対応を受ければ、期待値が高かった分だけホテルに対する印象は非常に残念なものになります。
ブランドマーケティングを成功させるには、全従業員にホテルのイメージ・方針を共有し、一丸となって取り組むことが必要不可欠なのですね。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
ホテルのマーケティング戦略:取り組み事例
実際のホテルでは、どのようなマーケティング戦略に取り組んでいるのでしょうか。ホテルのユニークなマーケティング戦略の事例を見ていきましょう。
嗅覚に訴えかけるマーケティング
世界中で展開しているある有名ホテルでは、嗅覚に訴えかけるマーケティングを展開しています。特定の香りをホテルのイメージフレグランスとし、ロビーの芳香剤や客室アメニティーを全て同じ香りにしているとのこと。世界中の、どのチェーン店でも同じ香りを使っているそうです。
香りは記憶に残りやすいため、同じ系統の香りを感じたときにホテルのことを思い出してもらえるでしょう。また、ホテルで使っているものと同じフレグランスは一般販売もされているので、自宅で毎日ホテルを思い出すお客様も居るのではないでしょうか。
子どもをターゲットにしたマーケティング
ホテルがマーケティングのターゲット層とするのは通常、大人ですよね。しかし、この固定概念にとらわれず、子どもをターゲットにしたマーケティングで成果をあげたホテルがあります。
アメリカのある高級ホテルでは、子どもを対象としたメンバーシップを作り、メンバーには誕生日ケーキの進呈や1日ドアマンなどの体験教室を提供。ホテルに子どもを呼び込むことで、次世代のファンを作り、子どもの家族を呼び込むことに成功したとのことです。
また、子どもの教育に貢献する組織として教育委員会から称賛され、ホテル全体の評判も上がりました。
SNSでフォロワーを飽きさせない工夫
デジタルマーケティングを成功させる鍵は「フォロワーを飽きさせずにつながりを保ち続ける」ことです。
ホテルのアカウントに興味を持ち、フォロワーになってくれた人が居ても更新頻度が低かったり、毎回同じような情報しか発信していなかったりすれば、いずれ興味を失ってフォローを解除するでしょう。
ある日本のホテルでは、フォロワーを飽きさせないために毎日「豆知識」を投稿しています。ホテルに関する新たな情報がない時でも、面白い豆知識を投稿することでフォロワーの関心をひくのですね。
おもてなしHRでホテルのマーケティング業務の仕事を探そう
今回紹介した手法や事例はごく一部。ホテルのマーケティングは実に奥深く、やりがいのある仕事です。ホテルでマーケティング業務に携わりたい!という人は、おもてなしHRで仕事を探しましょう。
おもてなしHRは、宿泊業界に特化した就職・転職支援サービス。フロントクラークやベルスタッフといった接客業務の求人だけでなく、ホテルの仕事を幅広く扱っています。希望や経験を考慮して適切な求人情報を紹介しますので、あなたにぴったりなマーケティング業務の求人も、おもてなしHRで見つかるかもしれません。
エントリーから入社まで、完全無料でしっかりサポートしますので、ぜひ活用してくださいね。