賞与(ボーナス)の所得税の源泉徴収額はどう調べる?計算方法とあわせて解説

源泉徴収は、所得税が給与から天引きされることを指します。給与・天引きと言えば、月給を思い浮かべる方も多いはずですが、賞与(ボーナス)にも所得税が課せられるのはご存じでしょうか。源泉徴収票における賞与の所得税額の計算方法をご紹介しますので、正しい税額が差し引かれているかどうかを確認する際の参考にしてみてくださいね。

目次

    賞与(ボーナス)にも所得税の源泉徴収が行われる

    年末になれば、源泉徴収票のことを耳にする機会が増えますよね。源泉徴収票とは、11月~12月頃に行われる年末調整の後、12月の給与明細とあわせて渡される所得税に関する書類です。

     

    所得税は、1月1日から12月31日までの所得に対して課せられる税金。つまり、毎月支払われる月給だけでなく、賞与にも所得税が課されるのです。

     

    賞与の額は大きいので、正しい税額が差し引かれているか気になる方も多いでしょう。そんな方が自分自身で確認できるよう、賞与の所得税の計算方法をご紹介します。源泉徴収票について理解を深めたい方は、下記記事もぜひチェックしてみてくださいね。

     

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    賞与(ボーナス)の所得税・源泉徴収額の計算方法

    iStock.com/lovelyday12

     

    賞与の所得税・源泉徴収額は、段階を踏んで計算すればすんなり算出することが可能です。計算方法を3段階に分け、ご紹介します。源泉徴収票が手元にある方は、用意したうえで読み進めてみてくださいね。

     

    [1] 前月の給与から社会保険料を差し引く

    賞与に課せられる所得税額は、前月の給与を基準に計算されるという特徴があります。

     

    よってまずは、賞与支給月の前月の給与を確認し、社会保険料を差し引き課税対象となる給与の基準額を確定させましょう。賞与の支給月が6月・12月であれば、5月・11月に支給された給与が基準になります。

     

    差し引く社会保険料は下記の4点ですが、給料明細であらかじめ「控除」として差し引かれているケースがほとんどです。所得税や住民税が控除にまとめられている場合は、「支給額」に所得税・住民税の控除分を戻して計算しましょう。

    • ・健康保険料
    • ・厚生年金保険料
    • ・介護保険料
    • ・雇用保険料

    [2] 賞与の税率を決める

    国税庁によって公開されている「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」と照らし合わせ、賞与にかかる税率を確定させます。

     

    税率の算出に必要な情報は2つ。1つは自分自身が甲・乙のどちらにあたるのか、もう1つは扶養家族等の数です。甲・乙は、給与所得者の扶養控除等申告書の提出の有無によって下記のように定められます。

    • ・「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している=甲
    • ・「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出していない=乙

    扶養控除の申告書は、扶養家族がいてもいなくても提出しなければならない書類です。つまり、大半の会社員は「甲」にあたると覚えておきましょう。

     

    [3] 賞与から社会保険料を差し引く

    [1]で給与の基準を定めたのと同じように、支給された賞与から社会保険料を差し引き、賞与の課税対象額を求めます。

     

    [4] 算出した税率と賞与を掛け合わせる

    [2]で確定した税率と、[3]で求めた課税対象の賞与額を掛け合わせます。この一連の流れを行えば、賞与にかかる所得税額が算出できます。

     

    イメージが湧かない方は、次項で計算例のぜひチェックしてみてください。

     

    計算例

    • 【扶養家族0名の独身者の場合】

     

    •  (a) 11月の給与      :20万円
    •  (b) 11月の社会保険料   :3万円
    •  (c) 12月支給の賞与    :30万円
    •  (d) 賞与にかかる社会保険料:4万円

    [1] 前月の給与から社会保険料を差し引く

     

     (a) 11月の給与-(b) 11月の社会保険料

     =20万円-3万円

     =17万円……基準給与額

     


    [2] 賞与の税率を決める

     

     「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」の甲欄・扶養家族等の0人・基準給与額17万円から、賞与にかかる税率【4.084%】を確認

     


    [3] 賞与から社会保険料を差し引く

     

     (c) 12月支給の賞与-(d) 賞与にかかる社会保険料

     =30万円-4万円

     =【26万円】

     


    [4] 算出した税率と賞与を掛け合わせる

     

     課税対象の賞与額【26万円】×賞与にかかる所得税率【4.084%】

     =10,618円(小数点以下0.4円は切り捨て)

     

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    賞与(ボーナス)の所得税・源泉徴収額が変わるケース

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    賞与の所得税率の決定には、賞与が支給される前月の給与を基準にするとご紹介しましたが、前月の給与がなかったり、賞与が前月給与の10倍以上の場合はどのように計算するのでしょうか。イレギュラーな所得税率の計算方法をご紹介します。

     

    前月の給与がない場合

    賞与が支給される前月の給与がない場合は、基準給与額が求められませんよね。その場合の税率は、「賞与に対する源泉徴収額の算出率の表」からではなく、「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」で税額を求めます。

     

    計算方法は、下記の通りです。

    • [1] 賞与から賞与にかかる社会保険料を差し引く
    • [2] [1]で求めた課税対象の賞与額を6で割る(年2回支給の場合)
    • [3] [2]で求めた基準を「月額表」に当てはめ、所得税額を求める
    • [4] [3]の所得税額に6を掛ける

    なお、賞与の支給が年に1度など、計算期間が6カ月以上になる場合は、[2][4]は6ではなく12で計算します。

     

    賞与が前月給与の10倍以上の場合

    賞与が前月給与の10倍以上の場合は、さらに複雑な計算が必要になります。「給与所得の源泉徴収税額表(月額表)」を用い、下記のように計算しましょう。

    • [1] 賞与から賞与にかかる社会保険料を差し引く
    • [2] [1]で求めた課税対象の賞与額を6で割る(年2回支給の場合)
    • [3] 前月の給与から社会保険料を差し引く
    • [4] [2]と[3]で求めた金額を足す
    • [5] [4]で求めた基準を「月額表」に当てはめ、所得税額を求める
    • [6] 前月の給与に対する所得税額を「月額表」から求め、差し引く
    • [7] [5]で求めた所得税額から、[6]の金額を差し引く
    • [8] [7]で求めた金額に6を掛ける

    賞与の計算期間が6カ月以上になる場合、[2][8]の6を12に変換して計算するのは、前月の給与がない場合と同様です。詳細は、国税庁のホームページからご確認ください。

     

    参照:源泉徴収税額表(令和3年分) / 国税庁

     

    賞与(ボーナス)の所得税・源泉徴収額は自分で確認できる

    所得税は、毎月の給料だけでなく賞与にも課せられます。最も簡単な確認方法は、源泉徴収票の「源泉徴収税額」を見ることでしょう。

     

    正しい額か気になる方は、ご自身で給与・賞与の所得税の源泉徴収額を計算してみるのも良いかもしれません。賞与支給月の前月の給与がない場合や、賞与が前月給与の10倍以上でなければ、複雑な計算は不要です。ぜひチェックしてみてくださいね。

     

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