借り上げ社宅とは
借り上げ社宅とは、企業が物件を契約し、従業員に社宅として貸し出すことを指します。
よく似た制度に「住宅手当」がありますが、両者の大きな違いは以下の点でしょう。
・住宅手当……従業員が契約した物件の家賃に対して手当が支給される
・借り上げ社宅……従業員個人ではなく企業が賃貸借契約を結ぶ
社員寮とは異なり、細かなルールが定められていたり、共有スペースを使用したりすることもないので、比較的伸び伸びと暮らせるのも大きなポイントです。
また、住居を契約する際、従業員の希望がある程度叶えられるケースが多いため、非常に人気の高い福利厚生の一つとなっているのだとか。
現在、職をお探し中の方は、企業を選ぶ際の基準の一つに「借り上げ社宅制度を設けているか」を組み込んでみてもいいかもしれませんね。
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借り上げ社宅は金銭面でのメリットが多い
借り上げ社宅は、特に金銭面でのメリットが多い制度です。家計の割合を大きく占める家賃の出費が大幅に浮くのは、働き手にとってもかなりの魅力ではないでしょうか。
では、具体的にどのようなメリットがあるのか、詳しくご説明していきます。
家賃の負担額がかなり軽い
借り上げ社宅の家賃負担額は企業によって異なりますが、多くの場合賃料の50~70%程度に設定している企業が多いようです。
首都圏である程度住み心地の良い部屋を借りようとすると、10万円前後の物件を探さなければなりませんが、借り上げ社宅の制度がある企業に所属していると、場合によっては5万円で満足な部屋に住むことができるのです。
中には、家賃をすべて負担している企業もあるようですよ。
ただし、従業員が支払う家賃が賃貸料相当額の50%以下の場合、下回ったぶんの金額は給与扱いになります。
つまり、受け取っている家賃と賃料相当額の差額が、給与として課税されるということ。この点を認識した上で、企業は借り上げ社宅の負担額を決める必要があるでしょう。
以下の記事では、転居費補助について詳しくご紹介しています。併せてご参照ください。
従業員に更新料の支払いが発生しない
定期的に訪れる更新料の支払いですが、これは原則会社が負担します。賃貸借契約を結んでいるのは会社なので、更新料も会社が支払うといった考え方です。
とはいえ、就業規則に「更新料は従業員が支払う」といった記載がある場合は支払い義務が発生するので、自身で確認したり、担当部署に問い合わせて確認したりしておくと安心です。
管理会社とのやり取りはほぼすべて会社に担ってもらえる
借り上げ社宅の場合、賃貸借契約を結ぶのはもちろんのこと、入居物件の候補出しや、家賃の支払い作業も会社が担います
また、部屋に住んでいる上で何かしらのトラブルに遭遇したとしても、会社が間に入って解決してくれるケースも少なくないのだそう。
ただし、騒音を起こして近隣住民から苦情を受けたり、部屋を過度に汚す・破壊するなどの行為をした場合はその限りではありませんので、節度を持って生活することを心掛けましょう。
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借り上げ社宅の注意点
借り上げ社宅の制度を利用するにあたり、いくつか注意すべき点があります。
一つは、完全に希望通りの物件が確保できるとは限らないということ。
あまりにも高すぎる家賃では企業にとってかなりの負担ですし、希望条件をすべて満たした設備の物件が通勤圏内に見つからないケースも考えられるでしょう。
運が良ければ理想的な物件に住めますが、そうでないケースも想定しておかないと、落胆の気持ちが大きくなってしまうかもしれません。
もう一つは、社会保障額が減る恐れがあるという点。
社会保険料は、給与の額によって決まります。そのため、家賃が天引きされたことにより給与が減ると、社会保険料も少なくなってしまいます。
社会保険料が減ることにより、将来受け取れる社会保障額も減ってしまうため、ゆくゆくは経済的な困難を感じる事態に陥ってしまうことも。
不安な方は、担当部署に問い合わせ、借り上げ社宅制度を利用したことによる社会保険料への影響を調べてみましょう。
借り上げ社宅制度は人気のある福利厚生の一つ!
中には「借り上げ社宅の制度を目当てに応募を決めた」という求職者もいるとのことで、この制度の人気のほどが伺えます。
家賃を大幅に負担してもらえるだけでなく、契約回りの作業も請け負ってもらえる点は大きな魅力です。
現在求人をお探しの方は、福利厚生に借り上げ社宅制度があるかどうかを気にしてみてはいかがでしょうか。
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