研修の案内文の基本
企業ではたびたび、人材育成やスキルアップ・資格取得などを目的とした研修が実施されます。業務の一環として位置づけられることが一般的です。
研修を開催する際には、従業員に対して案内文を作成する必要があります。
メールや書面のいずれかで送付されることがありますが、記載内容の基本はどちらでも同様です。まずは、案内文の書き方について紹介します。
研修の案内文の書き方
- ・宛名
対象が複数名になる場合は個人名ではなく、複数に対して敬意を表す方言である「各位」を使います。
対象者に合わせた表記は下記の通りです。
新入社員各位
社員各位
営業部各位
- ・差出人
研修を主催する部署名もしくは案内文を作成した部署名と、担当者名を記載します。
- ・件名
文書でもメールでも、何を通知するものであるかが一目で分かるような件名を付けましょう。
研修の内容に合わせた件名には下記のような例があります。
新入社員研修のご案内
リーダー研修開催のお知らせ
- ・本文
社内のビジネス文書なので、あいさつ文は不要です。趣旨が正確に伝わる簡潔な表現を使いましょう。
下記のような表現であれば、伝わりやすいでしょう。
新入社員研修を以下の要領で実施しますので、対象者は必ず参加してください。
下記の通りにリーダー研修会を実施いたします。参加者を取りまとめ、担当までご連絡ください。
- ・日時
開催日、時間を明記します。場合によってはスケジュールが必要になるはずです。1カ月前には送付するようにしましょう。
- ・場所
研修を開催する場所が社外である場合には、住所と地図も必要です。オンラインでの開催の場合は、使用するツール名を記載します。
- ・対象者
研修の対象者を明確にしましょう。一部の社員である場合には、対象の範囲が分かるような表現を使います。
下記のようにすると、対象の範囲がわかりやすくなります。
令和〇〇年度入社社員
各部署係長以下社員
- ・内容
研修の内容、目的を簡潔に書きます。箇条書きで記すと、流れも分かりやすくなります。何を学ぶのか、講師は誰なのかが分かると、よりイメージしやすくなるかもしれません。
- ・備考
持ち物や参加連絡の期日など、必要なことがあれば備考としてまとめおくと良いででしょう。
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内定者・新入社員に向けた研修の案内文
企業で実施される研修には、内定者や新入社員向けのものがあります。新人研修と言われることもあり、業務に関わるスキルを身につけるというよりは、社会人としての心得を会得する目的や、内定者同士の交流が目的とされています。内定者や新入社員に向けた研修の案内文作成にあたって気をつけたいポイントを把握しておきましょう。
分かりやすさを意識する
内定者や新入社員の場合、企業の研修を受けるのは初めてのことです。
案内文を見るのも初めてですので、内容や表現の分かりやすさを意識しましょう。
社内の会議室の場所や持ち物などは、細かく表記すると親切です。社会人であれば分かるビジネス用語にも不慣れなケースがあるため、文章に使う言葉にも工夫が必要です。
研修の目的が分かる案内文にする
新入社員の場合、新卒・中途に関わらず、入社後は数日の研修を経てから業務がスタートするのが一般的です。
実務前に研修を受けることの目的や研修の内容が分かれば、緊張も軽減されるはずです。
新卒者の場合は、研修を重ねることで学生気分から社会人へ気持ちが切り替わるということもあるはずです。仕事に対する意欲にも影響があるものですので、そういった研修の目的が伝わる案内文を意識しましょう。
案内文に目を通す新入社員の中には、どんなことをするのか?ついていけるだろうか?と不安を抱えている人もいるはずです。数日に渡って実施される場合には、スケジュール表も併せて作成するとさらに親切かもしれません。
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スキルアップのために開催する研修の案内文のポイント
入社後には、スキルアップのために研修が実施されることもあります。研修に参加することが、昇給や昇進のための条件になる場合もあります。入社から数年経過していたり、中堅社員であったり、新たなステージを目指す必要のある従業員が対象になるのが一般的です。
目に留まりやすいかを意識する
スキルアップ研修の対象者は、日々の業務に追われていることもあり、案内文を見落としてしまうこともあります。
研修の案内が確実に届くよう、メールと文書の両方を使用したり、案内文の送付の前に事前告知をしたりすると良いでしょう。
また、研修が業務の一環であるとはいえ、担当する業務の進捗状況やスケジュールによっては、参加が難しいということもあり得ます。
スキルアップの研修の場合は、複数の日程を設けたり、オンラインでの参加を可能にしたりして、従業員が参加しやすくする工夫も必要です。
研修のメリットが分かる案内文にする
スキルアップや資格取得のための研修は、企業の一員として、企業に求められる人材に近づくために必要なものです。
従業員の技術や意識を向上させることで、企業全体の価値や業績をアップさせることも重要な目的です。
研修の対象になる従業員は、企業へのさらなる貢献が求められていることも理解してもらう必要があるでしょう。参加者の意欲や納得度を高めるためにも、案内文を作成する場合には、開催の目的を明記しましょう。
中には、「案内が来たから」「参加は義務だから」と、渋々参加する社員もいるはずです。
研修に参加することで、自分自身にどのような知識が増えるのか、将来にどういかされるのかが分かると、対象者の意識は変わるものです。案内文を工夫することで、ネガティブな要素を排除できると、研修そのものの価値も高まるはずです。
案内文の工夫で研修をさらに実りあるものにしよう!
案内を目にした時から、研修への心構えが始まるものです。
研修の目的は「参加してもらうこと」ではありません。参加する社員にとって実りある研修になるよう、モチベーションが上がるような案内文を作成してくださいね。
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