不当な「就職差別」に注意!
企業の採用担当者なら当然、自分の行いが就職差別にならないか細心の注意を払っているはずですよね。
しかし、面接などの場面で悪気無く、緊張をほぐすために振った話題が「差別」と捉えられる恐れがあります。今一度、どのようなことが就職差別に該当するのかをおさらいしましょう。
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さまざまな就職差別
ある言動が差別と見なされるかどうかは、受け取る側の感性にも左右されるため、一概にはいえません。しかし、世間一般で「明らかな差別」とされていることもあります。
就職差別をしてしまう落とし穴は、求人広告の内容や面接での質問、選考の基準まで採用活動のあらゆる段階に潜んでいます。代表的な就職差別の例をチェックし、自分の言動を振り返ってみてくださいね。
性別
合理的な理由がない限り男女のどちらかだけを募集する、どちらかだけに結婚・出産の予定などを尋ねるといったことは就職差別です。
1999年6月23日に公布・施行された「男女共同参画社会基本法」は、男性と女性が対等な立場で活躍できる社会を実現するための法律です。
今では女性が結婚・出産後も働くことが一般的になりました。また、「女性の仕事」というイメージが強かった看護や保育の現場で男性が活躍する機会も増えましたよね。
しかし、いまだに「総合職は男性・一般職は女性」といった採用をしていたり、面接で女性にだけ「結婚後も仕事は続けますか?」という類の質問をする企業があるようです。
出身地・居住地
出身地や居住地に関する就職差別は、特に根強い問題ではないでしょうか。
地域に関する差別を無くす運動が盛んに行われている一方で、採用面接で「自宅付近には何がありますか?」「本籍はどこですか?」といった質問をされたという人がいます。
どこで生まれて育ったかは仕事の適性には何の関係もないことです。そんな理由で採用・不採用を決めるのは明らかに不当な差別でしょう。
また、差別の意識がまったく無くても、出身地や詳細な居住地の質問はNGです。通勤時間や交通手段を確かめるために行った質問が「差別では?」と捉えられる恐れがあるためです。
家族のこと
家族に関する事情も、出身地や居住地と同様に仕事の適性とは無関係です。
面接で家族構成や親の職業、誰が学費を出したのかといった質問はNG。あからさまな差別はもってのほかですが、そのつもりがなくても公平な選考ができなくなる恐れがあるためです。
例えば応募者が母子家庭で育ったという情報を知ってしまえば、「ちゃんとしつけられなかったのでは?」あるいは「女手一つで立派に育てられた人」という、根拠のない思い込みが生まれるかもしれません。
すべての応募者を公平な目で見るためにも、業務と無関係な質問はするべきではないでしょう。
国籍
日本で暮らす外国籍の人々が、就職差別を受けるケースは少なくありません。
日本語が堪能で、能力が十分であっても「職場になじめないだろう」「この国の人は怒りっぽいらしい」「細かな意思疎通ができないかも」などの思い込みで採用を見送られたり、簡単な仕事しか与えられないということがあるのです。
人の性質や長所・短所は国籍で判断できることではないでしょう。「外国人だからこうに違いない」という考えが、差別につながりやすいのです。
思想や宗教
どんな思想を持ち、どんな宗教を信じるかは人それぞれであり採用可否の基準になるものではありません。
愛読書や購読している新聞、尊敬する人物などは、思想や宗教に大きく関わるため、就職面接の場で話題にするのはNGです。
また、学生運動やデモに参加したことがあるか、どの政党を支持するかなどの質問も就職差別にあたります。
年齢
日本で使われている履歴書やエントリーシートは、必ずといっていいほど生年月日を記入する欄がありますよね。
しかし、アメリカでは応募書類に年齢を記入する欄がありません。雇用に年齢制限を設けることが違法であるため、年齢に関する情報は一切知らないままで採用の可否を決めるのです。
日本においても2007年の10月から採用における年齢制限は原則禁止とされていますが、あまり意味を成していないのが現状でしょう。
採用における年齢制限を認める例外事由のひとつに「長期的な勤務によるキャリア形成を目的とした採用」という項目があります。これを大義名分とすれば、実際には明確な理由がなくとも、年齢制限をかけて人材を募集することができてしまうのです。
若い人材の方が気力・体力・伸びしろがあると考えがちですが、それこそが差別・偏見とみなされることもあるため注意が必要です。
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就職差別を無くすには本質を見ることが重要
現代の日本では、表向きは差別のない採用活動を行う企業がほとんどです。
しかし、ふたを開けてみれば差別的なものさしで採用・不採用や採用後の役割を決めている企業がいまだに存在しているのではないでしょうか。
就職差別を行う企業は、自分の首を絞めているといっても過言ではありません。業務とは関係のないことに囚われて、有能な人材をみすみす逃すことになるのです。
より良い社会を実現するためにも、企業の発展のためにも、もっと本質的な要素を見て採用可否を判断しましょう。
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