ホテルのインチャージとは?
ホテルには、インチャージというポジションがあります。
インチャージは、「〜を預かっている」という意味を持つ「in charge of~」という英語表現を語源にしたポジションです。
「預かっている」という意味の通り、現場を預かる役割を持っています。全てのホテルに配置されているポジションでなく、現場責任者や主任といった呼び方をする場合もあります。
ホテルのインチャージは、現場のその時間帯の責任者です。時間帯で区切られているというのが特徴です。
夜勤の時間帯のインチャージであれば「ナイトインチャージ」、日中のインチャージを「デイインチャージ」と呼ぶこともあります。ホテルは、365日24時間稼働しています。全ての時間帯に責任者を配置する必要があることから、インチャージがいるのです。
その時間帯の責任者なので、一定の経験がある人材がインチャージとして勤務し、責任者なので、一般的な業務に業務だけでなくマネジメントにも携わります。
入社から数年経過した社員が、最初に目指すポジションである場合も少なくありません。
宿泊業界に詳しいアドバイザーが、あなたに合う職場をいっしょにお探しします。
宿泊業界での職務経験はありますか?
ホテルのインチャージの役割
ホテルのインチャージが具体的にどのような役割を担っているのかを見ていきましょう。
業務分担・人員配置
シフトのメンバーの業務分担を決めることは、インチャージの重要な役割です。
適切に業務を分担するためには、当日のホテルの繁閑状況やメンバーの得意不得意を考慮し、最適な人員配置にすることが不可欠です。
たとえば、英語が得意なスタッフを日中の混雑する時間帯に配置したりするなどです。
人員配置が適切に行われれば、スムーズなお客様対応ができるようになります。また、スタッフがスキルをいかして活躍することもできます。
スタッフのために、やりがいを感じたりモチベーションが向上したりする環境をつくるのも、インチャージの役割なのです。
業務の進捗管理
インチャージはメンバーの動きを監督し、進捗状況を管理します。
業務が滞っている部分があれば、指導や人員の配置変更などを行います。セクションの業務が円滑に進むかどうかは、インチャージの腕に大きく掛かっているのですね。
どのような場面でもリアルタイムに対応できる臨機応変さが望まれます。
人材の育成
新人の育成についても、インチャージには大きな責任があります。
教育計画を立てるには、業務の状況や先輩メンバーとの相性を考慮しなければなりません。
また、既存メンバーのサービスレベルを向上させるための教育・指導も行います。責任者として見本になる振る舞いを見せることも、インチャージの役割でしょう。
トラブル対応
担当する時間内に起きた場合は、当然、責任者であるインチャージが対応します。
重いクレームの処理にあたったり、他のセクションへ協力を依頼したりしなければならない場面もあるでしょう。適切な対応方法を判断・決定するのもインチャージです。
高いコミュニケーションの力や接客スキルだけでなく、判断能力や意思決定力も必要です。
他の時間帯のインチャージへの引き継ぎ
インチャージは時間帯によって交代する役割です。そのため、引き継ぎを確実に行わなければ次の時間帯の業務に滞りが生じてしまいます。
インチャージ同士の連携に不備があると、交代後の時間帯の業務にミスが生じる場合があります。たとえば、日中に対応したクレームについての引き継ぎに漏れがあったことで、夜にクレームが大きくなるなどです。
また、時間内にやるべきことは全てこなし、次の時間帯に影響が出ないよう、考えて動く計画性が必要です。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
ホテルのインチャージの給料はどのくらい?
ホテルは業界全体として、従業員の収入が低い傾向にありますが、インチャージの給料はどうなのでしょうか。2024年5月時点で公開されているおもてなしHRの求人情報から、インチャージの給料についてみていきましょう。応募条件なども紹介しますので、インチャージを目指したいという方は参考になさってください。
フロントインチャージの求人
とあるホテルでは、ホテルフロントのインチャージを募集しています。雇用形態は正社員です。
フロント業務から宿泊予約、会計、売上管理など幅広い領域で、より良いホテルづくりに関わる幅広い業務を担当します。
月給は25万円〜30万円。ほかに、時間外手当や深夜勤務手当が全額支給されます。同ホテルの一般的なフロント職の求人は月給21万円〜31万円ですので、インチャージの給料の方が高いことが分かりますね。
この求人にはいくつかの必須応募条件があります。
- ・ホテルフロント経験1年以上
- ・インチャージ経験1年以上
- ・日本語ネイティブ、もしくはN1以上の日本語スキル
- ・英語を話せる(日常英会話程度)
- ・基本的なパソコン操作ができる(Excel・Wordなど)
また、インチャージとして求める人材像には「リーダーシップがある人」「自発的に業務に取り組める人」などが挙げられています。
時間帯の責任者であるインチャージは、現場の仕事に深い知識を持つ人物でなければ勤まらないでしょう。
そのため、インチャージを中途で採用する場合は、ホテル業界の経験を必須とすることがほとんどです。上記の求人ではインチャージ経験も求められますが、数年間のホテル勤務経験があれば応募できる求人もあるようです。
インチャージの給料はそれほど高給という印象はありませんが、ホテルマンとしてステップアップできるポジションであることは間違いありません。
同じホテルで経験を積んでインチャージを目指すこともできますが、キャリアアップ転職で収入アップを目指す!という選択もできるのではないでしょうか。
ホテルのインチャージの仕事探しはおもてなしHR
ホテルのインチャージの仕事探しには、おもてなしHRがおすすめです。
おもてなしHRは、宿泊業界に特化した就職・転職支援サービス。日本全国規模で求人情報を扱っています。
無料の登録をしていただくと、専任スタッフによるエントリー先候補の紹介も利用できるので、インチャージを目指している方はぜひご活用ください!