飲食店での接客用語はお店の印象を左右する?
お客様が飲食店に好印象を持つきっかけは、料理の味だけではなく「丁寧な接客」とも言われています。
例えば、基本的な接客用語が身についていないと、お客様に不快感を与えてしまいリピートにつながらないことも。
お店の印象は美味しい料理だけではなく、正しい接客用語で心のこもったおもてなしをすることで決まるでしょう。
ただ、接客自体は場数を踏めば上達するものの、正しい言葉遣いはそう簡単にマスターできないもの。
大事なのは、これまで誤っていた接客用語を改め、正しい言葉遣いを積極的に使っていくことです。
では、飲食店で使われやすい誤った接客用語とは、一体どんなものが挙げられるのでしょうか?
次の項目より詳しく紹介するので、お客様に失礼のないワンランク上の接客を目指しましょう。
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【接客用語】飲食店で使われやすいNGワード4選
ここでは、飲食店で使われやすいNGワードをシーン別で解説します。
オーダー確認時の「~でよろしかったでしょうか?」
お客様からオーダーを取るときに使いがちな「~でよろしかったでしょうか?」です。
注文内容の確認をする際に多用されますが、語尾が過去形で表現されているため適切ではありません。
「ご注文は~でよろしいでしょうか?」という表現で尋ねるようにしましょう。
料理の提供時の「~のお客様」「~になります」
出来たての料理を提供する際に使う「~になります」と「~のお客様」という伝え方です。
「~になります」という表現は、「○○が△△になります」というように物事の変化を表す言い回しになるので適切ではありません。
また、例えば「スパゲッティのお客様」という言い方は、スパゲッティがお客様であることを表しているので、これも正しい日本語とは言えませんね。
「こちらがスパゲッティでございます」「お待たせいたしました。スパゲッティでございます」という表現で、料理をご提供しましょう。
お会計時の「~円からお預かりします」
お食事を終えたお客様とのお会計時に使いがちな「~円からお預かりします」という表現です。
ここでの誤りは、大きく分けて2つあります。
1つ目は、「~から」という言い回しですが、これは「(お客様からお預かりしたお金)から(代金を差し引いてお釣りを渡す)」という意味合いが込められているようです。
ただ、肝心な内容が省略されてしまい、意味不明な表現になっているので、この場合は「○○○○円お預かりいたします。△△△円のお返しでございます」が適切ですよ。
2つ目の「お預かりします」という表現は、お客様からお金をお預かりして、お釣りを返す場合に用いられる表現です。
しかし、お客様から代金ぴったりの金額で頂いた場合、当然お釣りは発生しないので「お預かりします」という表現は正しくありません。
正しい表現は、「○○○○円ちょうど頂戴いたします」となります。
多用されがちな「~のほう」
料理の提供時に限らず、さまざまな場面で多用されがちな「~のほう」という表現も誤りです。
例えば、「お料理のほうをお持ちしました」「お飲み物のほうはいかがでしょうか?」などさまざま。
「~のほう」は、方角を表すときや選択肢があるときに用いられる表現なので、前述の場面で使えるものではありません。
「お料理をお持ちしました」「お飲み物はいかがですか?」という言い回しに修正しましょう。
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【接客用語】飲食店での場面別・正しい接客用語
ここでは、飲食店において使われる正しい接客用語を場面別で6つ解説します。
実際に対応するときをイメージしながら、正しい接客用語を習得しましょう!
来店されたとき
まず、お客様が来店されたときに使われる接客用語は以下となります。
特に「いらっしゃいます」は、お客様を迎え入れる際に使われる基本中の基本の言い回しです。
どの表現を使う際も、あなたの素敵な笑顔も忘れないでくださいね。
- 「いらっしゃいます」
- 「何名様でいらっしゃいますか?」
- 「少々お待ちください」
- 「お待たせいたしました。席にご案内いたします。こちらへどうぞ」
- 「かしこまりました」
注文を受けるとき
お客様をご案内し、注文を受けるときに使われる接客用語は以下となります。
注文内容を復唱し、誤りがないかチェックすることが大事です。
- 「こちらがメニューでございます」
- 「ご注文はお決まりでしょうか?」
- 「ご注文がお決まりの際は、お呼びください」
- (注文内容を確認する際)「ありがとうございます。ご注文内容を繰り返します」
- 「以上でよろしいでしょうか?」
- 「かしこまりました。少々お待ちください」
料理を提供するとき
注文された料理を提供する際に使用される接客用語は以下となります。
すべての料理を提供し終えたら、「ごゆっくりどうぞ」という一言を添えることを忘れないようにしましょう。
- 「お待たせいたしました。(料理名)です」
- 「(料理名)はどちら様でしょうか?」
- 「ご注文の品はお揃いでしょうか?」
- 「ごゆっくりどうぞ」
食事を終えてお帰りになるとき
お客様が食事を終えてお帰りになるときに使われる接客用語は、以下となります。
今後のリピートにつなげるための大事な場面なので、より丁寧に対応しましょう。
- 「ありがとうございます。伝票をお預かりいたします」
- 「合計で○○○○円になります」
- (お釣りがある場合)「○○○○円お預かりいたします。△△△円のお返しでございます」
- (代金ちょうどの場合)「○○○○円ちょうど頂戴いたします」
- 「お忘れ物はございませんか?」
- 「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」
満席でお席へご案内できないとき
お客様が来店された際、満席でご案内できないときに用いられる接客用語も、マスターしておきましょう。
- 「あいにく席がふさがっております。お名前と人数をお書きになり、こちらでお待ちください」
- (席が空いたら)「大変お待たせいたしました。席までご案内いたします」
- (お帰りになるとき)「申し訳ございません。またのご利用をお待ちしております。」
電話で予約を受けるとき
飲食店によっては、電話で予約対応をすることがあります。
電話対応時の接客用語を以下に挙げてみました。
- 「お電話ありがとうございます。(店名)の(名前)がお受けいたします」
- (内容が聞き取りづらいとき)「恐れ入りますが、もう一度お願いいたします」
- 「少々お待ちいただいてよろしいでしょうか?」
- (予約内容を確認するとき)「ご予約内容の確認をさせていただきます。〇月△日○○時〇名様でよろしいでしょうか?」
- 「ご来店をお待ちしております。」
飲食店での接客用語をマスターしてスキルアップしよう!
接客用語を飲食店でマスターするだけで、お店だけではなくあなた自身の好印象にもつながります。
接客用語がスキルアップされれば、飲食店以外の場所でも活躍できるはずです。
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