採用基準とは?優秀な人材を見極める採用基準の作り方!

採用基準は企業によって様々ですが、採用基準が曖昧な企業や、今の採用基準が適切であるかの判断ができないという採用担当者も少なからずいるはずです。採用基準は、選考における重要な役割を担うため、企業・部署ごとに適切に設定されている必要があります。ホテル・旅館の採用基準設定のポイントとあわせ、採用基準の作り方、作成のポイントをご紹介しますので、ぜひご活用ください。

適切な採用基準を設定できていますか?

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採用基準とは、企業が採用選考の際に用いる応募者の評価基準や指標のことです。自社に最適な人材を見極めるための指標となるので、設定していないという企業の方が珍しいのではないでしょうか。

一般社団法人日本経済団体連合会が2018年に行った調査によると、新卒採用の選考時に重視する要素は上から順に「コミュニケーション能力」「主体性」「チャレンジ精神」「協調性」「誠実性」という発表がなされました。

この5つの要素はここ5年大きな変動を見せていないことからもわかる通り、どこの企業でも重要視されています。この要素をそのまま採用基準としている企業もあるかもしれませんね。

しかし、世論に合わせただけの採用基準は適切とは呼べません。採用基準は、企業ごとに異なるはずだからです。

では、どのようなステップを踏めば、自社に最適と呼べる採用基準を設定できるようになるのでしょうか。採用基準の作り方や、作成のポイントをご紹介します。

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採用基準を設定する重要性

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多くの企業が採用基準が設定しているのには理由があります。採用基準を設定する重要性から、その理由を紐解いていきましょう。

公正・公平な採用選考が可能になる

企業が採用基準が設ける最大の理由は、公正な採用選考の実施するためでしょう。

採用選考は、応募者の基本的人権を尊重し、適性・能力のみを基準として行われるべきであると国が定めています。思想や人種などが原因で採用を行わないなどの就職差別を行ってはならないというのが基本的な考え方なのです。

採用基準の設定が無ければ、面接官によって選考結果が変わるという事態が発生する可能性が高まります。そのため、公正・公平な採用選考を行うためにも、採用基準は重要な役割を担っています。

雇用のミスマッチを防ぐことに繋がる

企業には必ず、経営方針やビジョンが設定されているはずです。その考え方に共感した方が働いて欲しいと願う企業と、面接官の選考基準にズレが生じていれば、採用者にバラつきが出ることは避けられないでしょう。

しかし、採用基準があればある程度そのバラつきを少なくすることができます。つまり、雇用のミスマッチを防ぐことができるという訳です。

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採用基準の作り方:事前準備編

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企業ごとに適切な採用基準を設定するためには、どのような作り方を行えば良いのでしょうか。採用基準を作る前の事前準備と作成方法をご紹介します。まずは、事前準備をみていきましょう。

就活・転職市場のトレンドを掴む

採用基準を設定する前に必ず行っていただきたいのが、就活や転職市場のトレンドを把握するという作業です。

ここがないがしろになってしまえば、現実と乖離した採用基準となってしまうため、採用活動が上手く進まなくなる恐れがあります。

採用基準を極端に高くしてしまったり、逆に誰にでも内定を出せるような採用基準であれば、設定した意味が無くなってしまいます。現在の大学生の就職動向、転職者が企業に求めていることなど、自社の採用活動にあわせ、可能な限り下調べを行うようにしてくださいね。

各部署へのヒアリングを行う

就活・転職市場の調査が終わったら、自社でのヒアリングを行ってください。

部署ごとに求める人材は異なるでしょうから、部署・採用者・役職者・現場など、できるだけ多くの人数にヒアリングを行うのがおすすめです。

ヒアリングの際は、具体的な言葉を引き出すことを意識しましょう。

「優秀な人材が欲しい」という回答をもらっても、自社や部署に適した採用基準を作り出す未来は見えませんよね。業務上に必要なスキルや資格、部署の性格や性質など、可能な限り噛み砕いた表現で話をしてもらうのがコツです。

採用基準の作り方:作成編

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事前準備が終了したら、いよいよ作成に移ります。採用基準の作り方の5つのステップをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

コンピテンシーモデルを作成する

コンピテンシーとは、高い業績や、大きな成果に繋がる行動特性のことを指します。よって、コンピテンシーモデルは、ハイパフォーマーの行動特性、つまり企業にとって多くのプラスを生み出す人材の型や共通項と言い換えることができます。

コンピテンシーの重要性を、チームを例にご紹介しますね。まず、チーム全員が同じ行動を取ったことを想像してください。行動は同じであっても、必ず結果に差は出てしまいますよね。つまり、ただ行動をするだけでは高い業績や成果を生み出せないのです。

このパフォーマンスの差は、行動に対する思考、行動のなかで行われる思考から生まれると考えられています。そのため、コンピテンシーモデルを作り、採用基準に反映させることが大切なのです。

個人の評価は結果のみを見て行われることが多いことから、コンピテンシーモデルを確立している企業はそう多くはないはずが、後のハイパフォーマーの見極めに重要なポイントとなりますのでヒアリング時点で意識しておくようにしてくださいね。

ペルソナを設定する

ペルソナは、架空のターゲット像のことを指すマーケティング用語です。採用活動においては、求める人物像をより具体化したものだと考えてください。

わかりやすいところで言えば、下記のようなものです。

  • ・年代:20代後半~30代
  • ・職歴:同業界・同業種
  • ・能力:マネジメント経験有
  • ・性質:新しいことにも臆せず挑戦する
  • ・転職経験:2度まで

ペルソナの設定は、応募者が多い場合や、複数の面接官がいる場合、選考が複数回に渡る場合などに非常に効果的です。具体的であればあるだけ、ブレが少なくなりますので、ぜひ設定してみてください。

採用基準として言語化をする

コンピテンシーモデルと、ペルソナの設定が完了したら、いよいよ採用基準として言語化していく作業に映ります。ここまでの作業が丁寧に行われていれば、そこまで時間はかかりません。

冒頭でご説明したような「コミュニケーション能力」、「主体性」などがその一例です。項目数が多すぎると採用基準との照らし合わせに時間がかかるため、5つ程度に留めておく方が無難でしょう。

また、言語化ができた時点で、各部署の採用担当と擦り合わせをしておくことをおすすめしまし。展開後に修正が必要となれば、無駄に時間を要しますので、確認を取っておくようにしてくださいね。

採用基準を具体的な行動に落とし込む

言語化した採用基準を、行動レベルに落とし込むことでより強固な採用基準を作ることができます。

「コミュニケーション能力」を例に挙げれば、「自社内で多くの人と交流をする」、「誤った知識を持つ方に提言ができる」など、誰にでもイメージしやすい行動を記載することで、認識のズレを最小限に抑えることができます。

コンピテンシーモデルと照らし合わせれば、作成は容易でしょう。

採用基準の優先順位をつける

採用基準の大項目と、具体的行動の列挙が終わったら、基準の優先順位をつけるようにしてください。

もちろん、どの項目も重要で甲乙つけがたい状況ではありますが、全て合致する応募者はそうそう巡り合うことはできません。

優先順位をつけることは、採用選考の質を高めることにも繋がりますので、「自社で高い成果を挙げることができる人材」を思い描きながら設定してみてくださいね。

採用基準の設定のポイント

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採用基準は、いくつかのポイントを押さえることでより適切なものを設定することができます。採用基準の設定の4つのポイントをみていきましょう。

就職差別になる基準を設定しない

冒頭でもご紹介したように、企業は公正な採用選考を行わなければならないとされています。これは、厚生労働省でも考え方を明示されているものです。

本籍地・宗教・支持政党などがその一例ですが、これらを採用基準としてしまえば、そもそも公正な選考ができないこととなりますので注意してください。

参照:公正な採用選考の基本 / 厚生労働省

できるだけ具体的に作成する

採用基準は、誰が見てもわかりやすいようなものであるべきです。

採用基準が曖昧であれば、判断は面接官の裁量にゆだねられてしまいます。これでは、採用基準を設定した意味が無くなってしまいますよね。

わかりさすさを求めれば、選考のブレを少なくすることができますので、可能な限り具体的に表現するように心がけましょう。

新卒採用・中途採用は切り分けて考える

新卒採用と、中途採用では求めるスキルや経験が大きく異なるはずです。よって、同一の採用基準での選考では、適切な判断ができるとは言えないでしょう。

新卒は学生、中途は社会人としっかりと立場を切り分け、それぞれの採用基準を設けるようにしてくださいね。

全採用担当への共有を忘れない

採用基準の設定ができたら、全採用担当に必ず共有を行ってください。せっかく作成した採用基準も、活用してもらえなければ意味がありません。

特に、採用基準を刷新したという場合には注意が必要です。知らずに前採用基準で選考を進めてしまうという事態も想定できますので、新たに採用基準を設定したという場合には、徹底した周知を行うようにしてくださいね。

ホテル・旅館の採用基準設定には何が重要?

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ホテル・旅館で採用基準を設定する際に重要なのは、コンピテンシーモデルの作成でしょう。

宿泊業ないしサービス業全般に言えることですが、企業規模によっては、評価基準が曖昧になっているということも多いあるはずです。小さい規模のホテル・旅館であれば、社長やオーナーの機嫌などによって評価が左右するということもあるでしょう。

自社内での評価基準が曖昧であれば、そもそもコンピテンシーモデルの作成が難しくなります。何を持って、良い人材としているのかの判断が難しくなるからです。

ですので、もし仮に評価基準が曖昧という場合には、そこから設計する必要があります。客室アンケートを基にする、従業員間での評価制度を取り入れる、他ホテルの評価基準を聞いてみるなどし、採用基準の設定に活かすよう心がけてくださいね。

採用基準は定期的に見直す必要がある!

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採用基準は、時代によって変化していくものです。絶対的にこれが正しいというものは無く、時代・企業のカラー・企業規模・部署などにより必ず違いがあるはずですので、募集する求人を軸に、採用基準を設定し、定期的に見直すよう心がけましょう。

また、1つの部署内のみでは考え方が偏る場合もあります。部署ごとに採用基準を設けているという企業であれば、他部署の採用基準を見てみるだけで新たな発見があるかもしれませんので、ぜひ様々な方法を試してみてくださいね。

当サイト「おもてなしHR」では、ホテル・旅館などの宿泊業の採用の悩みを解消するコラムを多数掲載しています。加えて、専属アドバイザーへの相談も可能です。採用でお困りのホテル・旅館があればぜひ気軽に「おもてなしHR」を頼ってくださいね。

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