腰痛で仕事を休むことはできる?
腰痛は、さまざまな原因によって引き起こされます。
仮に腰への負荷が軽減されたとしても、心の負荷が大きくなれば腰痛を繰り返してしまうこともあるようです。
悪化させてしまえば、長期的に働けなくなる恐れも。
そのため、腰痛に悩みを抱える方は心身ともに回復させることを考え、辛いと感じるようであれば怖がらずに仕事の休みを申し出るようにしましょう。
そうはいっても、腰痛を理由に仕事を休むのはどこか気が引けて、悩みを抱えながらも働き続けているという方も少なくないですよね。
そのような方に向けて、腰痛との向き合い方や腰痛の労災扱いなどについて解説しますので、目を通してみてください。
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仕事を休みたい!腰痛の原因とは?
仕事を休もうかと迷ってしまうほどの腰痛には、それなりの痛みが伴っているはずです。
「腰痛は突発的に痛みが現れたものなのか」「徐々に痛みが蓄積されたものなのか」で対処法が異なります。
まずは、自身が抱えている腰痛の原因を考えてみましょう。
急激な力がかかるような動作
腰痛の代表ともされるのは「急性腰痛症」、通称「ぎっくり腰」です。
重いものを持ち上げたときや、無理な動きをした際の突発的な衝撃が原因で引き起こされることが多いよう。
なかには、洗顔のために前かがみになったり、椅子から立ち上がったりする動作が原因となることもあり、一概に無理な動きが原因になるとは限りません。
急性腰痛症は、腰を曲げる動作に激痛が走り、夜も眠れないほどの痛みに襲われる方も少なくないといわれています。
「仕事場に向かうことすら困難」という状態になってしまうようですね。
慢性的な業務負荷
ぎっくり腰と同様に、多くの方を悩ませるのは「椎間板ヘルニアなどの慢性的な腰痛」です。
加齢や姿勢の悪さ、腰への負荷が大きい作業を強いられる仕事などがその一因とされています。
腰痛に長期的に悩まされることが多い職業としては、
- ・日常的に腰に負担がかかる職業(配達業・引越業・介護職など)
- ・長時間同じ体勢での業務を強いられる職業(ドライバー・デスクワーク・ホテルの立ち仕事など)
が挙げられます。
精神的ストレス
意外と知られていないのが、「精神的ストレスが引き起こす腰痛」です。
専門用語では「心因性腰痛」と呼ばれます。
腰への直接的な負荷はそこまで大きくないはずなのに腰に痛みがあるという方は、ストレスが原因となっているかもしれません。
病院で処方された鎮痛剤を投与しても、根本の解決にはならず慢性化もしやすいため注意が必要ですよ。
細菌感染・内臓・血管の病気
腰への負荷やストレスの有無と関係の無いところで、腰痛が発生することもあります。
それは、「細菌感染や内臓・血管などの病気」によるものです。
仕事中、特に腰に負荷がかかるようなことも無ければストレスもあまり感じていない、という方はこの可能性も考えられます。
痛みが長期的に続くようであれば、早めに病院を受診をするようにしましょう。
動かすことを避ける回避思考・行動
- ・「過去に腰痛が原因で会社を休んだことがある」
- ・「休みをして嫌な思いをした」
- ・「また腰痛が徐々に大きくなっている」
などという方は、腰痛に対しネガティブな印象を強く抱いているでしょう。
このように腰痛に対し不安や恐怖を覚える方は、無意識のうちに腰を動かすことを避けてしまっていることがあります。
あまりにも腰を使わないでいると、背中周りの筋肉が強張ってしまい、腰痛が発生しやすい状態になってしまうのだとか。
無意識下で起こることも多いため、防ぎきることは難しいかもしれませんが、深く考えたところで状況は好転しないでしょう。
必要以上に腰痛を恐れず、ある程度楽観的に考えることも大切なのかもしれませんね。
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腰痛で仕事を休むか迷ったときのポイント
腰痛で仕事を休むか迷ったときに、いくつか考えておきたいことがあります。
ポイントを2つ紹介しますので、一度考えてみてくださいね。
(1)原因がどこにあるのかを考える
先述した通り、腰痛の原因として考えられるのは「腰への負荷」「心的負荷」「病気」の3つ。
原因が病気ではないときは、労働環境が改善されない限り腰痛に悩まされてしまうことも考えられます。
- ・「腰への負担を自分1人で軽減することができるのか?」
- ・「業務上の負荷は避けられないのか?」
- ・「ストレスの根源は何か?」
など原因を理解し適切な対策をとることで、腰の痛みも軽減されるかもしれません。
また、1人で解決するのが難しい場合は、会社へ相談することで解消されそうなのかも考えてみましょう。
難しいようであれば、休職・転職を検討してみてくださいね。
(2)我慢は悪化させる恐れがある
仕事を休まずに腰痛を我慢して働き続けると、悪化させてしまうことがあります。
仕事を休んでしまえば、誰かに業務負荷はかかってしまいますが、痛みを我慢しながら働くのは生産性の低下に大きな影響を及ぼすようです。
これでは結果的に会社や同僚のためにもなりませんよね。
また、腰痛の改善のために努力することは大切ですが、「しなくてはいけない」と義務感を背負ってしまうと、かえって精神にストレスを与えてしまいます。
無理をして身体を壊してしまっては、元も子もありません。
自分自身を大切にしてあげましょう。
仕事で起きた腰痛が原因で休んだ!労災認定はされる?
腰痛により仕事を休まざるを得なくなったとき、「腰痛の原因が現職にある」という証明ができれば、労災認定が下ります。
ただし、その証明は簡単なものではないようです。
たとえば、業務上で必ず必要となる動作をおこない、急性腰痛症などになった場合は労災として認められる可能性は高いでしょう。
しかし、仕事中とはいえ日常的な動作で腰痛を起こしたときは、労災と認められる可能性は低くなるということです。
特に「慢性的な業務負荷が原因かも」と疑う程度の腰痛であると、仕事と腰痛の因果関係を明確にするのも簡単ではありません。
ただし、証明ができれば認定は下りますので、必要に応じて会社や労働基準監督署に相談するようにしましょう。
仕事を休みたいぐらい腰痛が辛い!改善策はある?
「腰痛の改善策が知りたい」という方に向けて、腰痛を改善するポイントを5つまとめました。
実行できることから取り組んでみてくださいね。
(1)安静を意識しすぎない
意外に思う方が多いかもしれませんが腰痛時、「安静を保ちすぎるのは推奨されていない」ようです。
感染症や病気が原因の腰痛や神経痛を伴う椎間板ヘルニアなど、明らかな原因疾患のある腰痛以外は、予防としても治療としても世界的に安静はすすめられていない、ということが労働者健康安全機構からも発表されています。
「腰痛=安静」という等式にとらわれすぎず、可能な範囲で普段の活動をおこなうようにしましょう。
(2)仕事中はパワーポジションを意識する
「パワーポジション」とは、負荷のかかりづらい体勢のことをいいます。
腰を極端に湾曲させないような体勢であり、腰に負荷が大きくかかりそうな動作をする場合に腕・脚などを使うことで負荷を軽減するというものです。
また、重いものを頻繁に持ったりデスクワークなどで同じ体勢をとり続けたりする方は、前かがみ・前傾姿勢になっていることが多いでしょう。
腰に違和感を感じた際は、腰を反る運動をするだけでも背骨が正しい位置へ戻り、痛みが軽減されるようです。
普段からこれを意識するだけでも、腰痛の軽減・改善につながる可能性が高まりますので、実行してみてくださいね。
(3)ストレッチや筋トレを行う
腰痛には、腹筋や背筋など腰周りの筋肉が大きく影響します。
身体の歪みも腰痛を引き起こす1つの要因です。
そのため、日常的にストレッチや筋トレをおこなうようにしましょう。
筋力がつけば腰への負担が分散されるため、腰痛の改善が期待できます。
体幹の強化も効果的ですよ。
ただし、間違ったストレッチや筋トレは、腰痛を助長させてしまう可能性もありますので注意してくださいね。
(4)精神的ストレスの対策をとる
腰痛の予防は、身体と精神の両方を心がける必要があります。
精神的なストレスが大きくなってしまえば、筋肉が上手く機能しない状態につながるようです。
その上、自身の身体を気遣うことにまで気が回らなくなってしまいます。
精神的ストレスは、腰痛を引き起こす状態をつくりやすいもの。
仕事にストレスの要因があるときは、上司・会社に相談したり自身でストレスの発散をおこなったりなど、ストレスを溜めないことを心がけましょう。
(5)腰痛の正しい知識を持つ
腰痛には、さまざまな原因が関係しています。
その原因や対策がわからなければ、腰痛の改善は難しくなるものです。
- ・「急性腰痛症の場合は、消炎鎮痛薬などを投与しなければ痛みが慢性化する場合があるため無理をせず病院にかかるようする」
- ・「業務上の負荷を避けられない場合には、負荷を軽減する対策をとったり会社に相談をしたりする」
などというように、正しい知識をもって対策に臨みましょう。
腰痛で仕事を休むのは悪いことではない
腰痛で仕事を休むことは決して悪いことではありません。
悪化させてしまえば、より悪い状況を招いてしまう恐れがあるため、無理をせずに休むことも大切ですよ。
また、以前と同じような業務をしているのにも関わらず、転職によって腰の痛みが軽減されたという方もいるようです。
職場でのストレスが腰痛の主な原因と感じるのであれば、転職を検討してみてもいいかもしれません。
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