インバウンド景気を追い風に!外国人観光客に人気のホテルとは?

インバウンドという言葉が一般的になった昨今、海外から日本を訪れる外国人観光客が増え続けています。これに伴い、都心部を中心にホテルの建設ラッシュが続いていますが、ホテルが増えれば増えるほど「選ばれる」ホテル作りの重要性が高まるでしょう。「モノ消費」から「コト消費」へ……と言われるように、外国人観光客の興味関心や滞在スタイルなどが変化、多様化してきています。今、インバウンドの波に乗るためにホテルができる対策とは?について、考えてみましょう。

インバウンド客に人気のホテルとは

ビーチでリラックス

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日本人旅行者とは違った感性を持つ外国人旅行者。当然、好むホテルや旅館にも違いが見られます。インバウンド客に人気のあるホテルの特徴をピックアップしました。

オールインクルーシブ

オールインクルーシブとは、食事やドリンクなどのほか、アクティビティにかかる費用などのほとんどが宿泊料に含まれるホテルプランのこと。海外のリゾートホテルでよく見られ、ホテル滞在中のお財布事情を気にしなくて済むのが人気のポイントとなっています。

某調査によると、外国人に人気の高かったホテルのうち、上位をこのオールインクルーシブのホテルが占めました。最近では国内にもオールインクルーシブを導入するホテルが増えてきており、インバウンド景気に後押しされて今後も増え続けるのではと予想されます。

宿泊料金が安い

旅行、滞在のスタイルはそれぞれです。「豪華なホテルでゆっくりと過ごしたい」「ホテルはあくまで拠点として利用し、いろいろな場所を観光したい」など、旅行客のニーズによって選ぶホテルが変わってきます。

観光庁「訪日外国人の消費動向」によると、訪日外国人観光客の平均泊数は9.1泊でした(2017年集計)。また外国人観光客は同じホテル・旅館に連泊していろいろな場所へ訪れる傾向が強いと言われているため、「最低限自分でできることは自分でやるので、宿泊料金を抑えたい」というニーズが少なくないようです。

出典:観光庁「訪日外国人の消費動向」

日本旅館

温泉や日本料理といった、いわゆる日本文化を外国人観光客にいかに満喫してもらうか。これがインバウンド対策の大きなポイントとなります。ここで注目されるのが、温泉旅館です。

観光庁によると、訪日外国人旅行者が希望する宿泊施設のうち、もっともニーズが高い(70%)のが「日本旅館」でした。しかし実際には旅館の利用は全体の55%に留まっており、「日本旅館に泊まりたかったけれど、結局断念した」観光客が少なからずいることを示しています。言い換えれば、日本の文化を感じられる旅館にはまだまだポテンシャルがあると言えそうですね。

出典:観光庁「観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について」

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最低限やっておきたい、ホテルのインバウンド対策とは

スマホでWi-Fiを使う

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インバウンド対策とひと口にいっても、その内容はさまざまです。すべてを一度に行うことは難しいので、前出の観光庁の調査をもとに、まずは最低限やっておきたいことをまとめました。

多言語表記

訪日外国人観光客が旅行中に困ったこと(2017年)でもっとも多かったのが「スタッフとのコミュニケーション(26.1%)」、次が「多言語表示の少なさ・わかりにくさ(21.8%)」でした。いわゆる言葉の壁と言われるものですね。

ホテル側にネイティブスピーカーを雇用するだけの余裕があればベストですが、そこまでしなくとも大丈夫。フロントや客室には多言語に対応したタブレット機器を配置する、複数の外国語に対応した観光マップやパンフレットを用意するなどの対策でも、十分有効です。

キャッシュレス決済に対応

日本でも徐々に、クレジットカードや電子マネー決済に対応したお店が増えてきていますが、まだまだ十分とはいえない状況にあります。そのため、日本よりもずっとキャッシュレス化が進んでいる海外からの旅行者にとって、支払い時に不便を感じることが少なくないようです。

前出の調査で「クレジットカード・デビットカードの利用で困った」と答えた外国人観光客は全体の14.2%と、上から5番目でした。お土産を販売する売店など、ホテル内すべての施設でキャッシュレス決済が可能になると、より外国人観光客が来やすいホテルとなるでしょう。

無料Wi-Fiの整備

旅行中さまざまな情報を調べるのに、インターネットは欠かせませんよね。そのため外国人観光客にとって非常に重要なのがWi-Fiの利用できる環境なのですが、日本ではまだまだ整備が行き届いているとはいえません。

旅行中に困ったことの中で、「無料公衆無線LAN環境」を挙げたのは全体の21.2%で3番目。ホテルにおいても、「ロビーのみ」「客室のみ」ではなく館内すべてでWi-Fiが利用できると良いですね。

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一歩進んだインバウンド対策とは

交流を楽しむ外国人たち

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さて、最低限やっておきたいインバウンド対策を紹介した次は、さらに一歩進んだ対策にも触れておきましょう。多言語化、キャッシュレス化などについては日本でも年々対策が進んでおり、最近では「やって当たり前」「それだけでは足りない」領域になりつつあります。

そこで、ここで紹介するような一歩進んだ対策を講じることで、より多くのインバウンド客を獲得できるようになるはずです。

選べる宿泊プラン

例えば「旅館で豪華な日本料理を食べたい」を目的として訪日する観光客がいる一方、「自分でいろいろなお店に足を運んで食べ歩きしたい」と考える観光客もいます。そうした異なる考えを持つお客様に対して、常に同じ宿泊プランを提供したのでは、満足度がまったく違ってきてしまいますよね。

とある旅館では、夕食の提供をやめた代わりに周辺の飲食店を紹介するようにしたところ、外国人の宿泊客が増えて評判も良くなったといいます。また、「事前客室選択サービス」として予約時に自分で好きな部屋を選べるサービスを行うホテルもあり、好評を得ています。

インバウンド獲得のためには、多くの選択肢を用意し、選んでいただくことが大切です。

交流スペースの設置

海外では、ホステルやゲストハウスの利用が一般的です。その流れを受けて、近年では日本でも増えてきています。

こうした施設の大きな魅力が、宿泊客同士に交流が生まれる点。ホテルにおいても、宿泊客が集まって交流が生まれるような共有スペースをつくることで、新たな価値を生み出すことができるはずです。

日本文化の体験

「爆買い」を代表とするモノ消費から、体験を重視するコト消費へと、外国人観光客の興味関心が変化してきています。そのような中で注目を集めているのが、体験付き宿泊プランです。

例えば地場の果物の収穫体験であったり、陶芸体験であったりと、その土地ならではの営みを実際に体験できるアクティビティが人気です。

ニーズの把握、そして対策を

東京ガイドブックを持って歩く女性

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外国人観光客と日本人観光客とでは求めるものが異なるため、これまで通りの接客・サービスを提供していたのでは、インバウンド誘致は進まないでしょう。その状況を打開にするには、まず外国人観光客のニーズをつかむこと。そのうえでのインバウンド対策が必要です。

費用をかけなくても、工夫次第でできることはいくらでもあります。今のインバウンド景気をホテル経営の追い風とできるよう、しっかりと対策しましょう。

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