ホテルのイベント成功は稼働率に大きく影響する
イベントの成功は、ホテルの年間稼働率に大きく影響します。
地域の目玉となるイベントに便乗しているだけでは、年間の稼働率が安定することはありません。反対に、ホテルのイベントが成功すれば、閑散期でもホテルの売り上げが安定することになるのです。
新型コロナウイルスの影響で、スタッフや資金に限りのあるホテルも少なくないでしょう。ですが、イベントはお金をかけたからといって必ずしも成功するわけではありません。
イベントには工夫が必要です。そのホテルならではの工夫がうまくお客様の需要とマッチすれば、自ずとイベントは成功しやすくなるのです。
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ホテルのイベントを企画するときのポイント
ホテルのイベントを企画するために必要なポイントをご紹介します。企画会議では以下のポイントに注意しましょう。
ターゲットやテーマを明確にする
イベントの企画は、ターゲット層やテーマを明確にすることが成功への近道となります。「誰に」「何を」伝えたいのかを意識するとしないでは、結果が全く異なります。
逆に、それらが不鮮明だとイベントの成功は見込めません。イベントを企画する目的や、どのような人に来てもらいたいのかを具体的にイメージすることが重要ですよ。
ターゲットに合わせた企画内容にする
ターゲット層やテーマを明確にしたら、次はターゲットに合わせた企画内容を考えましょう。
過去、自社や同業他社が企画したイベントをリサーチし、「どのような結果が出たのか」を洗い出してください。また、ターゲット層がどのようなイベントに興味を持ったのかなども、リサーチできれば調べてみても良いかもしれません。
「分かりやすいイベント」を重視する
イベントを企画する際は、お客様に分かりやすいイベントを心がけてください。
社内で企画会議をしていると、スタッフからさまざまアイデアが出てきます。それら一つひとつが良い内容だとしても、一度のイベントに複数のコンテンツを盛り込んでしまうと中途半端になってしまいます。
また、せっかく定めたターゲット層やテーマが曖昧になってしまい、イベントを企画した目的自体も見失ってしまうことが考えられます。
ですので、イベントを企画する際はシンプルなイベントを意識し、イベントで伝えたいことを一言で伝えられるようにしておくことがベストでしょう。
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ホテルのイベント企画を季節ごとに考えてみよう
ホテルのイベントでは、季節ごとのイベント企画が欠かせませんよね。すでに企画しているイベントもあるかもしれませんが、きっと新たなイベント企画のヒントになりますので、ぜひご覧ください。
春
春は新生活など新たな門出となるシーズンです。そのため、何かとお祝い事や、日頃の感謝を込めたプレゼントとしてホテルを利用される方が増えますよね。
春には「新生活応援キャンペーン」や「歓送迎会割引」などお得なイベントを催すことで集客が見込めます。また、新社会人へ向けた「初任給キャンペーン」なども人気が出やすいでしょう。「母の日・父の日」に合わせてイベントを開催することもおすすめです。
夏
子どもたちが夏休みとなり、多くの家族連れを呼び込むチャンスです。ですので、ファミリー向けのイベントを中心に企画すると良いでしょう。
まずは「七夕キャンペーン」「夜の星空観測」「館内での宝探し」など、親子で楽しめるイベントを準備しましょう。
大人向けのイベントでは、夏祭りなどに合わせて、ホテルに浴衣で来た方を割引対象にするなど「浴衣キャンペーン」を企画することも人気が出そうです。
秋
秋はなんといってもお月見やハロウィンがあるので、子どもたちにも人気のあるイベントを企画しやすい季節です。また、敬老の日に合わせたイベントも多くの集客を見込めるでしょう。
さらに、集客を期待できるのは勤労感謝の日です。企業に働きかけることによって、スタッフを労わる社員旅行などのイベントを促すこともできますよ。
冬
冬は忘年会や新年会が多くなるシーズンです。忘年会・新年会当日のイベントもさることながら、その下見もイベント化すると、下見から確実に忘年会・新年会の利用にもつながるので効率的な集客になるでしょう。
また、クリスマスや新成人を応援するイベントや、バレンタイン・ホワイトデーも抜かりなくイベントを企画するようにしましょう。
ただし、特にクリスマスやバレンタイン・ホワイトデーなどは、他のホテルもイベントを催しているので、差別化しなければ埋もれてしまうリスクも。なるべくオリジナルのイベントとして企画するよう、アイデアを絞る必要があります。
例年を通してできるホテルのイベント企画は?
ホテルの年間稼働率を安定させるには、季節関係なくできるイベントの企画も必要です。
季節ごとにイベントを企画するとしたら、そのイベントに連動した料理を考えてみてはいかがでしょう。お客様がホテルを利用する際、「食」が楽しみの一つとなっています。料理を充実させることで、クチコミも広がりやすくなるので検討する余地はあるかもしれませんよ。
また、ホテルのラウンジのスペースを有効活用するために、コンサートや写真展、アート展を実施すると良いでしょう。ファンがホテルを訪れることにもなるので、新規顧客の獲得にもつながります。
しかし、新型コロナウイルスによって、県外のお客様を呼び込むことにまだ不安がぬぐえないというホテルもいらっしゃるかもしれません。その場合は、「県民限定プラン」などその地域に住む方限定のイベントを催すことを視野にいれてみてはいかがでしょう。
ホテルのイベント企画にはSNSをうまく活用する
ホテルのイベントを企画する段階で、来場者によるSNSの拡散を念頭に置いて話を進めていきましょう。
SNSでは同年代で同じ志向を持ったユーザーが集まりやすいのが特徴です。企画したイベントのファンがSNSに拡散すれば、より多くのユーザーに訴求できます。
季節ごとのイベントに関しては、翌年以降も企画する確率が高いですよね。そのイベントで来場者がSNSで拡散してくれると、翌年以降のイベント来場者の獲得にもつながりやすいのです。
ですので、イベントの企画段階でTwitterやInstagram、Facebookでの運用を視野に入れつつ、写真映えするイベント風景を作るよう考慮しましょう。
イベントの成功にはユーザー目線でのおもてなしが大切
ホテルでのイベントを成功させるには、お客様の目線になって企画することが求められます。そのためには、世の中の動きに敏感になることが重要なのです。
「ターゲット層はいま何を求めているのか」をキャッチすることからアイデア出しが始まりますが、世の中の動きが見えていなければ良いアイデアは生まれません。
ホテルのイベントが成功すれば年間の稼働率が上がり、安定した経営が可能になるでしょう。厳しい経営が続いているホテルもいらっしゃるかもしれませんが、お客様の目線に立ったイベントを企画できれば多くの集客が望めます。
ぜひご紹介したイベント企画のヒントを参考に、早速イベント企画に挑戦してみてくださいね。