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旅館のインバウンド対策:取り組むべきポイントや注意点

訪日外国人観光客が増え続けていることから、国内のインバウンド対策が重要視されて久しいです。中でも、昔ながらの風情を残す旅館は、日本の文化を楽しみに来る外国人のお客様にこそおすすめしたい宿泊施設。しかし都市部のホテルと比べると地方の旅館では対策が遅れており、インバウンド客の獲得に苦戦しているのが現状です。そこで当記事では、大きな予算をかけなくても実践できる対策方法をご紹介します。

日本旅館への宿泊ニーズは高いが、課題あり

伝統的な日本旅館

iStock/visualspace

 

観光庁が2019年に発表した「観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について」によると、訪日外国人観光客が希望する宿泊施設のうち、最もニーズの大きいのが日本旅館(70%)でした。しかしそのうち実際に泊まったのは55%と、理想と現実の間に大きなギャップが生じています。

 

一方、海外では日本の「ryokan」が次々に開業するなど、世界的に注目を集めているジャンルであることも間違いありません。このことから、旅館にはまだまだ可能性があると言えます。外国人のお客様に「泊まりたい」と思っていただくため、インバウンド対策が大きな課題となっています。

 

出典:観光庁「観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について」

 

インバウンド受け入れのため、旅館が取り組むべき対策

多言語化への対応が急務

iStock/ivosar

 

歴史のある旅館の場合、建物の老朽化が問題視されるケースも散見されます。しかし大規模リニューアルを行うには相応の費用がかかりますよね。ここでは、そこまでの費用をかけなくてもできるインバウンド対策についてお伝えします。

 

Wi-Fiや多言語化などの整備

前出の観光庁の調査によると、Wi-Fi環境、ホームページの多言語化、クレジットカードなどのキャッシュレスへの対応について、ホテルと比較すると旅館の整備が遅れています。小規模な旅館ほどその傾向が顕著で、これが外国人のお客様から旅館が選ばれない大きな理由となっているようです。

 

今や、海外旅行においてインターネット、スマートフォンは欠かせないツールとなっています。お客様ファーストで考えるなら、インターネット周りの整備は不可欠な対策だと言えるでしょう。

 

多様な宿泊プランを用意

現在の旅館の多くは、豪華な食事つきの宿泊プランを採用しています。しかし多くの外国人観光客は、宿泊施設を拠点としつつ気になるお店に食べに行ったり、観光を楽しむスタイルを取っています。そのため、宿泊料金が食事代込みで高めに設定されている旅館は「泊まりにくい」という外国人観光客も少なくありません。また、食生活が異なる外国人お客様にとって、旅館で出される食事が口に合わない場合もあります。

 

こうした状況を打開するには、例えば食事つき・なしを選べる宿泊プランを用意するなど、お客様のニーズに対して柔軟に対応できる姿勢が必要でしょう。

 

長期滞在向けに洗濯機を設置

観光庁の「訪日外国人消費動向調査(2018年)」によると、インバウンド客の多くは平均9日程度日本に滞在します。お客様はその間、衣服の洗濯をしなければなりませんが、そうしたルームサービスに対応している旅館はあまり見かけません。都心部から離れた旅館の場合、近隣にコインランドリーがない場合もあり、長期滞在には不向きと言わざるを得ません。

 

この問題は、旅館内に宿泊客が利用できる洗濯機を設置することで解消できます。

 

出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査(2018年)」

 

SNSやブログなどでの発信

同調査によると、出発前に得た旅行情報源で最も役に立ったのが「個人のブログ」で31.2%、次が「SNS」で21.4%でした。外国人観光客が情報収集を行う際にインターネットを活用していること、実際に見たり行ったりしたユーザーによる生の声・口コミを重視していることがわかりますね。

 

インバウンド客を取り込むには、旅館もブログやSNSを使って積極的に情報発信をすることが大切だと言えそうです。

 

実際にインバウンド対策を行った旅館の例

インバウンド対策を行う旅館

iStock/AzmanL

 

インバウンド対策が遅れていると言われる旅館ですが、手をこまねいているばかりではありません。実際に対策を講じ、一定の成果を挙げた例を紹介します。

 

昔ながらの日本旅館は、試行錯誤でソフト面を充実

古い町並みに立地する伝統的な日本旅館は、いっときお客様が減ったことで大幅に方向転換し、外国人を積極的に受け入れることにしたそうです。例えば、外国人のお客様があまり食べない夕食の提供をやめた分宿泊料を安く抑える、エリアマップを作成して街歩きを楽しんでいただくなど。こうした対応は、試行錯誤を繰り返した結果たどり着いた「おもてなし」の形の1つです。

 

旅館だけでなく、街ぐるみで外国人を受け入れる、今ここにある日本の姿をありのままに見せる姿勢が、外国人のお客様に受け入れられています。

 

外国人観光客の思う「日本らしさ」を前面に押し出す斬新な旅館

一方、インバウンド向けに特化したまったく新しい旅館の例を見てみましょう。これは外国人が思う「日本らしさ」をそのまま表現した施設で、浮世絵が描かれたふすま、ロビーには凧を飾るなどハード面で工夫を凝らしました。

 

それだけでなく、おにぎりを作る、習字を書く、ふとんを敷くなどの体験を提供する「コト消費」にも力を入れ、エンターテインメントとして楽める旅館を目指しました。また、裸で温泉に入ることに抵抗を感じる外国人向けに水着で入れる時間を設けるなど、お客様目線に立った配慮も欠かしません。

 

ニーズに応えるのがおもてなし

文字の読み書きを教える女将

iStock/kumikomini

 

訪日外国人観光客は増えていますが、ホテルに比べると旅館はインバウンド客獲得に苦戦しているのが実情です。しかし日本旅館に憧れを持つ外国人は多く、まだまだ伸びしろはあります。

 

まずは外国人のお客様の声にしっかりと耳を傾け、ニーズに合わせた対応が大切。伝統を重んじることは大切ですが、時代の流れに合わせた柔軟な姿勢も必要です。そうした対応こそが「おもてなし」であり、お客様に評価される旅館に欠かせないものと言えるでしょう。

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