2024年はインバウンドが完全回復する見込みあり!
2019年から新型コロナウイルス感染症が急拡大した影響で、宿泊業界は長らく売上減少・営業時間短縮などの対応を余儀なくされていました。
それから月日は流れ、新型コロナウイルスとの共存・共生を目的とした取り組みが始まり、宿泊業界はコロナ発生前の利益水準まで戻りつつあります。
この市場推移が変わらなければ、インバウンド需要はさらに上昇し、2024年には完全回復するかもしれません。
では、宿泊業界は今後景気や社会情勢に左右されることなく、円滑な運営を続けていくためにはどうしたらいいのでしょうか?
まずは、次の項目よりこれまでの宿泊業界の市場推移を振り返り、今後取り組むべきことについて考えてみましょう。
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宿泊業界の市場推移を見てみよう
ここでは、2020年から2023年までの宿泊業界の市場推移を見ていきましょう。
2020年:新型コロナウイルスの影響で運営が困難になった年
新型コロナウイルス感染症が発生した2019年を皮切りに、2020年は外出自粛などの影響で宿泊施設の運営が非常に困難となりました。
観光庁が発表した「宿泊旅行統計調査」によると、2019年の延べ宿泊者数は5億9592万1480人だったのに対して、2020年は3億3165万4060人でした。(日本人・外国人観光客含む)
この数字からも分かるように、旅行自体の需要が大きく減少し、利益の確保が難しい状況だったと言えるでしょう。
2021年:新たな価値の提供に挑戦した年
2021年は地域限定の割引キャンペーンなどが始まり、宿泊施設を利用するお客様が少しずつ増え始めた年です。
また、お客様が宿泊施設を選ぶ基準に、「3密回避」「感染症対策の徹底」がされているかどうかも追加されました。
そういった考え方のシフトもあり、これまでにない新たな価値の提供に動き出した施設は予約が減らなかったり、予約が増加したりしたそうです。
例えば、部屋食プランや長期間滞在プランなどを取り入れたり、露天風呂付き客室を整備したりするなど。
お客様のニーズを丁寧にくみ取り、それにお応えできる宿泊施設は常に注目されるポジションに居続けられたということでしょう。
2022年:行動制限の緩和で業績改善が見られた年
2022年は行動制限が緩和され、宿泊業界の業績改善が見られてきた年でした。
お客様の宿泊施設を選ぶポイントに、安心・安全かどうかが加わったのと同様に、質の高いサービスやおもてなしに対する意識も高まったそうです。
例えば、地元の旬な食材を活かしたお料理、クラブラウンジの無料利用、レジャー施設利用時の割引サービスなどさまざま。
また、チェックイン・アウト時の非接触化やスマートロックなどのオンラインサービスの導入などを図り、徹底した感染症対策をアピールする宿泊施設もありました。
こうした動向から、価格訴求型から高付加価値の内容や安全面を重視する傾向に変化したと言えるでしょう。
2023年:コロナ前の業績水準に戻りつつある年
2023年は、2022年9月から外国人観光客の受け入れを再開したこともあり、宿泊業界はコロナ前の業績水準に戻りつつある年です。
お客様からのご予約に喜ぶ一方で、宿泊業界は以下のような課題を抱えています。
- 深刻化している人材不足
- グローバル化の遅れ
- 施設の老朽化
これらの課題に対する改善策を検討しておかないと、せっかくの集客を見込めないかもしれません。
なお、宿泊業界の課題を解決する方法については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
宿泊業界が今後取り組むべきこととは?
これまでの宿泊業界の振り返りをしたところで、ここでは宿泊業界が今後取り組むべきことについて4つ紹介します。
今後の運営についてお困りの方がいたら、ぜひ参考にしてくださいね。
外国人観光客の集客に力を入れる
インバウンド需要が活発になっている今だからこそ、外国人観光客の集客に力を入れましょう。
例えば、施設内のサービス内容は英語版・中国語版を用意したり、日本ならではの会席料理やおもてなしをしたりするなど。
また、「語学力に不安がある」というスタッフの方のために、翻訳ツールや定型文のサンプルを用意するのも一つの手です。
そういった取り組みをホームページなどでPRできれば、国内外から選ばれる施設に一歩近づけるでしょう。
ゲストのニーズに沿った付加価値を提供する
宿泊施設を利用するお客様のニーズに沿った、新たな付加価値の提供に努めましょう。
例えば、旅館なら個人のお客さまにも気兼ねなくご利用いただくために露天風呂付き客室を特別プランで用意したり、ホテルならアメニティバイキングを充実させたりするなどさまざま。
これまでにないサービスを取り入れることで、顧客満足度は高まり、それが口コミで広がればさらなる集客につながるでしょう。
デジタル化を積極的に進める
感染症対策として注目された、セルフチェックインシステムなどのデジタル化を積極的に進めましょう。
デジタル化が進むと、受付することなく宿泊できるスマートロック、チャットボットを活用した予約対応など、すべて人を介することなくスムーズに利用できます。
加えて、人手不足の解消や円滑な施設運営にもつながり、より柔軟な対応ができるようになるでしょう。
ただ、デジタル化の導入には導入費用が必要なので、今後の経営状況に見合った資金調達をしてくださいね。
マーケティング活動に力を入れる
宿泊業界は、従来のOTA記載を継続しながら、SNSを活用したマーケティング活動に尽力する必要があります。
インターネットの普及により、宿泊施設選びの情報源の一つとしてSNSを活用する方が増えてきたそうです。
SNSを通じて期間限定キャンペーンや宿泊日ごとのイベント情報、施設の紹介動画などを発信することで、その施設に対する認知度が高まるはず。
SNSを通して、個人のお客様も獲得できるので、精力的に活動してくださいね。
インバウンド需要の回復を追い風に経営を安定させよう!
宿泊業界の今後は、お客様のニーズを理解し、心地よい滞在時間を提供するための取り組みが必要です。
コロナ禍から回復している今だからこそ積極的に取り入れて、お客様に選ばれる施設を目指していきましょう!
なお、ホテル・旅館などの宿泊業界で人材を確保したい、募集をしているものの応募が来ない……など、採用にお困りの方はぜひ当社サービス「おもてなしHR」にご相談ください。