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(かくてる)
英字表記は「cocktail」。「カクテル」とは、ベース となる酒(ジン、ウイスキー、ブランデー、ウォツカ、ラムなどの蒸留酒、シャンパン、シェリー、ベルモットなどの醸造酒、アブサン、キュラソーなどの混成酒)にビタース (苦み剤) 、シロップやジュースなどを混合した飲み物(ミクスト・ドリンク)を総称したものです。一般的に知られているものだけでも、3000~5000種類ほどあり、お酒の総合芸術とも呼ばれるカクテル。色や香り、味わいはもちろんのこと、それぞれのカクテルの名称には、地名や人物名を由来とする物語性のあるものもあり、背景のイメージを広げながら味わうことで、より一層深く楽しむことができます。
カクテルの歴史は古く、古代ローマではワインの水割りが一般的で、他にもさまざまなものを加えて飲んでいたされています。古代エジプトではビールにショウガやハチミツを加えて、7世紀頃の中国では、ワインに馬乳を加えた乳酸飲料が飲まれていたのだとか。12~17世紀の中世ヨーロッパでは、ワインやスピリッツ(蒸留酒)に薬草を入れて温めて飲むホット・ドリンク、その後、湖や川に張った氷を使ったカクテルなど、社交界にもカクテルが浸透していきました。1879年に製氷機が発明されると、現代式のカクテルが生み出され、最初にアメリカで花開きます。
その後、第一次世界大戦とともに世界に普及、第二次世界大戦終了後はヨーロッパでも盛んに作られるようになりました。日本に入ってきたのは明治初期で、大正時代になると下町にバーが登場したのに伴い、一般に知られるようになりました。
カクテルは飲み干す時間によって大きく2つに分けられ、短時間で飲み干すショートカクテル、比較的じっくり時間をかけて飲み干すロングカクテルがあります。カクテルグラスも用途に応じてさまざまなスタイルがあり、ショートカクテル用の逆三角形のスタイルから、トロピカルカクテル向けのゴブレット、ロングカクテルに適したタンブラーなど多彩です。カクテル専用のツールはシェーカーをはじめ、ジガーと呼ばれる容量の異なる2つのカップが背中合わせについているメジャーカップなどがあります。
ホテルのカクテルでは、ポピュラーなものからオリジナルのものまで、バーテンダーの手によって美しいカクテルが生み出されます。お客様をカクテルの奥深い世界へ案内し、上質で心地よい時間を提供しています。
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