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(ぬーべる・きゅいじーぬ)
「ヌーベル・キュイジーヌ(nouvelle cuisine)」とは、フランス語で「新しい料理」を意味します。1970年代に出版されたレストランガイド『ゴー・ミヨ』(著 アンリ・ゴー/クリスチャン・ミヨー)の中で造語として発表されたことをきっかけに、一般に広まりました。「伝統的な調理法やスタイルとは異なる新しい料理」をあらわす言葉として、ヌーベル・キュイジーヌが用いられるようになったようです。
1900年頃に確立された伝統的なフランス料理「オート・キュイジーヌ」は、宮廷料理を一般化したものでした。濃厚でこってりしたソースを主体とし、脂肪や塩分が多いことが特徴で、健康にはあまり良くないものでした。また、料理体系が非常に良く整っていたため、自由な発想が生まれる余地が少なかったようです。そのような時代背景があり、ヌーベル・キュイジーヌは生まれました。
ヌーベル・キュイジーヌの特徴として、食材本来の風味や質感を生かすことや、濃い味付けを廃止して新鮮な食材のおいしさを味わうことを重視する点などが挙げられます。また、調理器具や調理法にこだわらず、良いと思えるものはどんどん取り入れるという姿勢も当時は革新的でした。
ヌーベル・キュイジーヌの発想には、実は日本料理が深く関係しています。鰹節や昆布で取った出汁や、素材の味を楽しむ刺身など、当時のフランスには無かった食文化から大きな影響を受けたようです。
ヌーベル・キュイジーヌは大流行の末に定着し、現代でもその味を楽しむことができます。
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