ムニエル

「ムニエル（meuniere）」は、フランス料理における魚の調理法の一つです。

下ごしらえをした魚の切り身に塩とコショウで下味をつけ、魚の表面に小麦粉をまぶしバターで両面を焼いたあと、レモン汁を絞りかけます。小麦粉をまぶすことでうま味も閉じ込められると同時に、カリッとした外側とふわっとしたやわらかい内側との食感の違いも楽しめるのが特徴です。

舌平目やスズキ、サケなどの白身魚がよく使用されます。バターソースのほか、ホワイトソースやオーロラソース、バルサミコ、醤油風味など様々なソースが用いられ、幅広いアレンジができる料理です。

同じような方法で野菜や肉を調理する場合もありますが、ムニエルという呼び方は魚料理に限定したものなので、野菜や肉を調理するときには使用しません。つけ合わせにはゆでたポテトや、ほうれん草のソテーなどを添えるのが一般的です。

また、フランス語のムニエ「meunier」という言葉には「粉屋」「製粉業者」という意味があります。正確に言えば、ムニエルは「粉屋の娘風」という意味があるそうです。父親の獲った魚を娘が運ぶ途中、粉ひき小屋を通る際に誤って小麦粉の中に落としてしまい、家に帰って小麦粉のついた魚をバターで焼いたらとても美味だった、というエピソードに由来しています。

偶然から生まれた調理法が、そのおいしさからどんどん広まっていき、いまやコース料理のメインを張る一品となっています。