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(ししおどし)
鹿おどしはもともとは農業の道具でした。日本旅館の庭先などによく設置されており、温泉に漬かりながら「カコーン」という音色が聞こえてくると非常に癒されるものですが、本来は読んで字のごとく、田畑を荒らす鳥獣を追い払うための道具でした。
仕組みとしては中央を支点とした竹の筒を斜め上に向けて設置し、水を少しずつ流します。やがて一定の水量が溜まると重さで筒が下を向き、溜まった水が流れ出して筒は元の位置に戻ります。この時に、筒のお尻側が岩に当たって「カコーン」というあの音が鳴るというわけです。
この道具を日本で初めて観賞用に設置したのは、石川丈山という江戸時代の文人だと言われており、その鹿おどしは今でも京都の詩仙堂という場所にあります。農具としては平安時代にすでに原型があったそうですが、石川丈山という文人が静かな隠居生活を送るため寛永18年 (1641年)に作った庭園で、日本で初めて風流を演出するための鹿おどしを設置したそうです。この場所はテレビなどでも紹介されており、観光客にも大人気です。
静かな庭園に時折響く鹿おどしの音色に、江戸時代の石川丈山も現代の私たちも癒されること間違いなしです。
最近ではホームセンターなどに手軽に設置できる小さな鹿おどしが販売されており、自分の庭で楽しむ人も増えています。
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