ホテルのキャンセル料はいつから?請求・払い方の手順を解説
目次
ホテルのキャンセルが増えている?
インターネット予約の普及によって、昨今、無断キャンセルが増加しています。新型コロナウイルスの影響によるキャンセルも増加しており、ホテルの経営は極めて困難な状況に陥っています。
しかし、中には「身内の不幸」「子どもが熱を出した」「自然災害」などのように、やむを得ない事情でキャンセルをすることになったお客様もいるはずです。
無断キャンセルや自分都合のキャンセルはもってのほかですが、自分に非がない場合であってもキャンセル料は払わなければならないのでしょうか。また、キャンセル料はいつから発生し、どのくらいの金額を払う必要があるのでしょう。
ホテルと予約客、どちらにも役立つキャンセル料の知識をご紹介します。
ホテルのキャンセル料を払わないのは法律違反?
ホテルのキャンセル料を払わない予約客は、一定数存在するようです。お客様である以上、ホテルも強くキャンセル料を要求できないのでしょう。
しかし、宿泊約款でキャンセル料について触れているホテルからキャンセル料を請求された際には、予約客は正しく応じなければなりません。請求されたキャンセル料を支払わなければ、最悪の場合、裁判で有罪判決が下るからです。
予約客はホテルからの請求には早急に応じることを、ホテル側はお客様への理解を促し、なるべく早めに対処することを心がけましょう。
キャンセル料はいつから発生する?
キャンセル料の発生期間はホテルによって異なりますが、宿泊の1週間前からキャンセル料が発生するホテルが多いようです。
キャンセル料の目安は、予約日の7日~4日前で宿泊料の20%、3日~2日前で宿泊料の50%、前日で宿泊料の80%。当日のキャンセルや無断キャンセルの場合は、宿泊料の100%を請求するホテルがほとんどのようです。
中には、予約プランごとで異なるキャンセル料を設定しているホテルもあります。一切キャンセルができないプランや、無断キャンセルなどをなるべく防ぐために、事前決済をお願いするホテルも増えているようです。
ホテルのキャンセル料の発生基準とは
ホテルのキャンセル料がいつから発生するのかを決める要因は多くあります。「価格」「施設」「季節」「周辺の状況」の4つのパターンから見ていきましょう。
価格
最近では、直前までキャンセル料が発生しない通常プランと、安価ですがキャンセル料が100%発生してしまう事前決済のプランを用意するホテルも目立ちます。
早割りキャンペーンを実施するホテルも多いですよね。このようなプランをキャンセルする場合、事前決済分を返金不可としているホテルがほとんどです。
施設
キャンセル料の発生期間は、施設やホテルの形態によっても異なります。
たとえば、ビジネスホテルでは前日から当日にかけてキャンセル料が発生する施設が多いようですが、旅館では約1週間前からキャンセル料が発生するところもあります。
ビジネスホテルに比べて、旅館は食事つきのプランが多く、食材の廃棄リスクなども考えると早い段階からキャンセル料が発生してしまうのも頷けますね。
季節
季節ごとのイベントも、キャンセル料の発生期間に大きく影響します。
夏休みやお盆、年末年始、ゴールデンウィークなどの大型連休や、クリスマス、バレンタインなどの大きなイベントがある時期はキャンセル料の期間や規定を厳しく設定するホテルもあるのだそう。
その時期に無断キャンセルなどをされてしまうと、ホテルや旅館としては大きな損害となってしまいますよね。未払いとなるリスクを避けるため、事前決済しか受け付けていないホテルや旅館もあるようですよ。
周辺のイベント状況
ホテルの周辺でアーティストのライブなどのイベントが開催される場合も、キャンセル料のルールをいつもより厳しくするケースがあります。
ライブの開催時期が決定すると、チケットが当選する前に「とりあえず予約」をする人が多くなり、本当に宿泊が必要な人が宿泊予約をできないといった事態になってしまう恐れがあるのです。
無駄な予約を防ぐために、ホテルはキャンセル料の発生ルールを厳しくすることも必要かもしれませんね。
ホテルのキャンセル料の払い方は?
キャンセル料の発生期間に予約をキャンセルしたとしても、どのように支払えば良いのかがわからないという方もいることでしょう。ホテルがキャンセル料を請求する流れをご紹介しますので、手順が不安なホテル担当者もぜひ参考にしてみてください。
外部からの事前決済の場合
事前決済の場合は、宿泊予約サイトや旅行ポータルサイトから予約を申し込むパターンが多いのではないでしょうか。
事前決済は大半、クレジットカードで決済をしますよね。この場合は、キャンセル料を宿泊料金から差し引いた金額がカード会社から請求されます。また、宿泊料金の100%が請求され、後でキャンセル料との差額分が返金されるケースもあるようです。
キャンセル料の払い方・請求方法としては一番安全で、手軽な方法と言えるでしょう。
ホテルに直接予約をした場合
宿泊予約サイトからの予約が主流になっていると言っても、や明日さや確実性を重視し、ホテルへ直接予約をする方もいることでしょう。
ホテルのWEBサイトから直接予約で事前決済を選択されている場合は、外部からの予約と同じように、登録したカードから請求されるのが一般的です。電話予約や事後決済を選んだ場合は、後日キャンセル料の請求書を送付するホテルが多いでしょう。
ホテルから請求がこない場合は?
キャンセル料の請求がこない場合は、ホテルに問い合わせるのが確実です。予約情報と事情を伝えればきっと、支払いの流れを教えてくれることでしょう。
また「今回は必要ありません」というように、厚意で予約をなかったことにしてくれるホテルもあるのだとか。その際は、ありがたく厚意を受け取りましょう。再び近隣に訪れる時には、ぜひ優先的にそのホテルの利用を検討してあげてくださいね。
未払いのキャンセル料をホテルが請求する流れ
ホテルがキャンセル料を請求したとしても、支払ってくれるお客様は残念ながらそう多くないのが現状です。しかし、ホテルはキャンセル料をきっちりいただかなければ、経営悪化の一途をたどります。
そうならないためにも、未払いのキャンセル料にもきちんと対応していきましょう。
メール・電話・郵便
キャンセル料の未払いを確認したら、電話や郵便、メールなどでキャンセル料の督促を行いましょう。
メールでは、キャンセル料の金額と支払期限、入金先を明記するようにしてください。それでも支払いが確認されない場合は、電話をかけてキャンセル料について確認するよう促したり、郵便などで督促状を送付してみましょう。
常識のあるお客様であれば、この段階でキャンセル料を回収できます。請求したことのないホテルは、一度実践してみてはいかがでしょうか。
内容証明郵便で請求する
メールや郵便、電話などの方法でキャンセル料が支払われない場合、内容証明郵便を使って督促状を送りましょう。
内容証明郵便にはキャンセル料に加えて遅延損害金の合計を一括払いするよう要求しても問題ありません。
期限内に入金がないときには法的措置をとる可能性があることも記載するようにしましょう。相手にプレッシャーを与えることで、キャンセル料の回収率は上がるはずです。
訴訟を検討する
内容証明郵便を送付したにもかかわらず、一向にキャンセル料や遅延損害金を支払われる気配がないときには、民事訴訟を検討しても良いでしょう。
しかし、個人相手に少額のキャンセル料を争うのでは、手間や費用を考えるとあまりおすすめはできません。悪質ないたずらや団体旅行の無断キャンセルなど、ホテルが大きな損害を被ったならば、訴訟を意識する必要がありえます。
ホテルを守るためにもキャンセル料請求を徹底しよう
どんな理由があっても、予約したホテルのキャンセル料を支払うことは人として当たり前の行動です。ホテルがキャンセル料を請求することもまた、当然の行動です。
たしかに「身内の不幸」「子どもが熱を出した」「自然災害」といった理由では、キャンセル料を快く支払うのも、ホテルが請求するのも難しいかもしれません。しかし、ホテルはひと組のお客様をお迎えするために、さまざまな労力や知恵を使っています。
お客様都合のキャンセルに対し、ホテルは毅然とした態度でキャンセル料の請求を行い、キャンセル料を請求されたお客様は素直に従うのがお互いのためと言えるのではないでしょうか。
ただし、全てのお客様が快くキャンセル料を支払ってくれる訳ではありません。キャンセルをなるべく作らない事前決済など、ホテルはお客様が予約する段階での対策を取ることも検討してみてくださいね。