MICEとは?ホテルの売上・集客との関係と対策

観光庁によると、国際MICE(マイス)全体の経済波及効果は約1兆 590億円。非常に大きな経済効果を及ぼしていることがわかります。これだけ大きな市場にもかかわらず、日本ではいまいち浸透していない「MICE」という言葉。当記事ではMICEについての概要と、MICEがどのようにしてホテルの集客、売上に影響を及ぼすか。また、MICEを呼び込むための戦略などについて解説します。

目次

    MICEとは

    会議中の女性

    iStock/Productions

     

    MICEとは、Meeting(会議・研修・セミナー)、Incentive travel(企業の報奨・研修旅行)、ConventionまたはConference(国際会議・学会)、Exhibition(展示会・イベント・見本市)の頭文字を使った造語です。大規模なビジネスイベントともとらえられます。Google、Apple、Facebook、Amazonの頭文字を使った「GAFA(ガーファ)」という言葉がありますが、同様のものですね。

     

    GAFAには米国の主要なIT企業という共通点があるように、MICEにも共通点があります。それが、たくさんの人が一堂に会する行事(イベント)であることと、それによって多くの情報を得られることです。

     

    MICEは一般的な観光以上に大きな経済波及効果をもたらすことから、国ではMICEの誘致・開催を推進しています。観光庁が実施した調査によると、2016年度の国際MICE全体の総消費額は約5,384億円、経済波及効果は約1兆590億円と推計されました。

     

    出典:国際MICE全体による経済波及効果

     

    このように、MICEは今の日本において非常にホットな話題のひとつです。また、MICE開催時には国内外からたくさんの人がやってくるため、会場や宿泊場所となるホテルとも深い関係があります。MICE誘致によってより多くの集客や売上増が見込めるためです。

     

    MICEがホテルの売上を増やす!その理由は

    ホテル

    iStock/Repossini

     

    開催国や地域にとって大きな経済効果を見込めるMICEは、ホテルにとっても大きなビジネスチャンスとなり得ます。MICE開催によって売上や集客がアップするのはなぜでしょうか。

     

    大人数の予約が早期で入る

    MICEのような大規模なビジネスイベントの場合、開催日のかなり前から日程や参加人数などがある程度固まっていることが多いです。ホテル側には早い段階から大人数の予約が入ることになるので、売上が安定するメリットがあります。

     

    1人当たりの消費額が大きい

    観光庁によると、2016年の訪日外国人の旅行支出は1人当たり15万5896円。それに対し、MICE参加者の外国人(主催者等の負担分も含める)1人当たりの消費額は約33万7000円でした。同条件の比較ではないものの、MICEがもたらす経済効果がいかに大きいかがイメージできるのではないでしょうか。参加者の滞在日数が一般的な観光に比べて長いこと、宿泊費などは公費や会社の経費で支払われるので、個人的な消費額が大きくなりがちなことなどが要因として挙げられます。

     

    出典:観光庁 訪日外国人の消費動向・平成28年年次報告書

     

    大規模なイベントの開催により、多額のお金が動く

    MICEが開催されると、多額のお金が消費されます。例えば国際会議が開催される場合、会場のセッティング費用の他にゲストの交通費、宿泊費、飲食費がかかりますよね。これはMICEの主催者側による消費であり、とても多くの費用がかかります。一方、お土産を買ったり観光を楽しんだりといった、参加者の個人的な消費も見込めます。このような相乗効果が起こり、ホテルの売上にも寄与するという仕組みです。

     

    集客につなげるMICE戦略

    戦略をたてるビジネスマン

    iStock/HAKINMHAN

     

    MICE開催会場に選ばれるためには、大人数を収容できる会議室があること、宿泊のための設備が整っていること、などの条件があります。それに加え、国際会議、学会などには多くの外国人が来ることから、いかに付加価値をアピールできるかが大切になってきます。前者はハードによるところが大きいですが、後者についてはソフト面での対応も可能ですので、どんなホテルにも取れる戦略と言えるでしょう。

     

    多言語化対応

    MICE、インバウンド対策として多言語対応は欠かせません。具体的には、マルチリンガルのスタッフをフロントに配置する、トイレや機器の使い方を多言語表記またはピクトグラムにするなどの方法があります。MICEにはさまざまな国からお客様がやってきます。滞在中いかに不自由を感じさせずに気持ちよく過ごしてもらうか、この意識が大切です。

     

    バリエーション豊富な食事

    外国人旅行者には「日本食を楽しみに来日した」と答える人が多く、食に対しての関心の高さがうかがえます。おいしい和食を用意することはもちろん、「食べ慣れた自国のメニューが欲しい」「宗教上の理由から食べられる食材が限られる」といったさまざまなニーズに対応することで、MICE獲得を目指します。

     

    地域社会と協力して誘致に取り組む

    大規模ホテルの場合、エンターテインメントやアトラクションなどを組み合わせることによって付加価値を生み出すことができます。しかしすべてのホテルでそうした戦略をとるのは難しいのが実情です。そうした状況を打開するためには、広い視野を持ち、発想の転換が必要になります。

     

    地域社会と協力して誘致に取り組むとある事例では、地域観光のための散策マップの作成や、地元の産業を体験できる取り組みなどを行っています。ホテル単体でお客様を囲おうとするのではなく、地域の店や産業を知ってもらい、まちぐるみで外国人のお客様を受け入れ魅力を知ってもらう戦略です。

     

    ホテルでもMICE戦略の推進を

    国際会議の様子

    iStock/kasto80

     

    MICEはインバウンドと並んで注目度の高い取り組みの1つですが、インバウンド事業と比較すると、その知名度はいまひとつといった状況にあります。しかし一般的な観光と比べて高い経済効果を得ることができ、宿泊先となるホテルにとってもメリットが多いため、戦略的にMICE獲得を推進していくべきでしょう。広い視野を持った戦略を打ち出すことで、MICE獲得、集客増につなげられるはずです。

    ご入力いただいたメールアドレスに資料をお送りいたします。

    必須企業名

    ご担当者様名を入力してください

    必須ご担当者様名

    ご担当者様名を入力してください

    必須メールアドレス

    メールアドレスを入力してください

    必須電話番号

    電話番号を入力してください

    資料請求のお申し込みを受け付けました

    資料請求をお申し込みいただきありがとうございました。
    入力いただいたアドレスにメールをお送りいたしましたので、ご確認ください。

    万が一メールが届かない場合は、info@omotenashi.workまでお問い合わせいただきますようお願いいたします。

    ページ上部へ戻る