観光用語:インバウンドとアウトバウンドとは?今後の見通しも

「インバウンド」と「アウトバウンド」。ビジネスの場ではしばしば聞かれる言葉ですが、利用シーンによって意味が違っており、わかりにくいと感じることもあるのでは?ここでは主に、観光においてのインバウンドとアウトバウンドについて解説します。言葉の意味や、どのようなマーケティングが行われているかなどをまとめているので、改めて確認してみてください。

目次

    観光業界におけるインバウンドとアウトバウンド

    旅行

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    インバウンドとアウトバウンドには、利用シーンに応じた複数の意味があります。ここでは、主に観光業界においての意味を中心に紹介します。

     

    インバウンドとは

    インバウンドを英語にすると「inbound」。英和辞典によると、「本国行きの」「市内に向かう」といった意味があります。これが転じて、日本でいうインバウンドには「内向きの」「外から内へ向かう」というニュアンスがあります。

     

    観光業界で使われるインバウンドは、外国人が日本に旅行に訪れる意味合いで使われ、旅行自体を指したり、旅行客のことを指したりします。

     

    その他のシーンでは、お客様が自発的に企業に接触してくることをいいます。例えばテレマーケティング(電話を使った営業、コミュニケーション)分野では、お客様から電話がかかってくることをインバウンドと呼んでいます。

     

    アウトバウンドとは

    インバウンドの対義語がアウトバウンド。英語表記では「outbound」となり、こちらはインバウンドとは逆で「外国行きの」「市外に向かう」という意味があります。観光業界に当てはめた場合は、日本人の海外旅行を指して使う言葉です。

     

    テレマーケティングの分野では、企業側からお客様に営業の電話をかけることをアウトバウンドと呼んでいます。

     

    細かい使い分けはあるにせよ、インバウンドが「外から内へ」アウトバウンドが「内から外へ」のニュアンスだけをしっかり覚えておけば、どんな使われ方をしていてもなんとなく把握できるのではないでしょうか。

    2015年にインバウンドがアウトバウンドを上回る

    鳥居と番傘

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    日本政府観光局(JNTO)によると、2015年の訪日外国人観光客数は約1,974万人で、過去最高を記録。出国日本人数は約1,621万人だったので、1970年以来45年ぶりに訪日外国人観光客数が出国日本人数を上回りました。

     

    これ以降もインバウンドは堅調に推移し、2018年には3,000万人を突破。政府は2020年に4,000万人、2030年に6,000万人を目指すとしています。

     

    一方アウトバウンドについては、2016年が1,712万人、2017年が1,789万人、2018年が1,895万人と、インバウンドと比較すると大きな動きがありません。こうした背景もあり、日本では現在、インバウンドマーケティングに注力する動きが活発に見られます。

     

    出典:

    日本政府観光局(JNTO)「平成27年 訪日外客数・出国日本人数」

    日本政府観光局(JNTO)「年別 訪日外客数, 出国日本人数の推移」

     

    インバウンドマーケティングですべきこと

    SNSを利用

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    インバウンドマーケティングの対象は、日本を訪れる(訪れようとしている)外国人です。先述のように訪日外国人観光客は増加し続けており、今後もインバウンド需要が見込まれているため、より多くの観光客を取り込むためのマーケティングが重要視されています。

     

    スタートは知ってもらうこと

    インバウンドマーケティングはアウトバウンドマーケティングと比べて、「受け身」「待ち」の姿勢になりがちです。いかに相手に興味を持ってもらうか、アクションを起こしてもらうかが重要となるため、まずは海外の人に日本の魅力を知ってもらう、興味を持ってもらうことが大前提。

     

    そのためには、インターネットやSNSを駆使して広く魅力を発信する必要があります。例えば世界中の人が利用するインスタグラムには、

     

    • ・メインコンテンツが写真、画像のため言葉を必要としない
    • ・ハッシュタグを活用してより広く拡散できる

     

    こうしたメリットがあり、インバウンドマーケティングに活用している企業が少なくありません。

     

    気持ちよく過ごしてもらうこと

    知ってもらう、興味を持ってもらうことに成功したら、次の段階として「どう過ごしていただくか」が大切になってきます。

     

    せっかく日本に来ても、「コミュニケーションが取れなくて滞在中ずっと不安」「Wi-Fiがなくてインターネットが利用できない」などのストレスを感じたら、また来ようとは思ってもらえませんよね。

     

    訪日外国人がストレスなく気持ちよく過ごせる環境づくりも、インバウンドマーケティングの1つと言えるでしょう。

     

    アウトバウンドマーケティングの今後は?

    日本人の海外旅行

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    年々増加傾向にあるインバウンドと比べ、日本の海外旅行者(アウトバウンド)に大きな変化は見られません。

     

    公益社団法人日本経済研究センターがまとめた資料によると、アウトバウンド減少の要因として、家計所得が伸び悩んでいること、少子高齢化・人口減少などが挙げられています。こうした社会的背景を鑑みると、今後飛躍的にアウトバウンド需要が伸びるとは考えにくいのが実情です。

     

    しかし中長期的な観点では、アウトバウンドの減少は日本の経済成長を阻害しかねないと指摘されており、決して放置してよい問題ではありません。今後はインバウンドだけでなく、アウトバウンド市場を活発化させるマーケティングにも期待が集まるでしょう。

     

    出典:公益社団法人日本経済研究センター「アウトバウンド減少は経済成長阻害も -若者だけでない日本人の旅行離れ-」

     

    インバウンドとアウトバウンド、双方の発展が望まれる

    パスポートと飛行機

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    インバウンドとアウトバウンドは、業界や使われ方によって複数の意味を持つ言葉です。観光業界においての意味を改めて確認しておき、どんなビジネスシーンにも対応できるよう備えておくとよいでしょう。

     

    観光立国を目指す日本では、現在インバウンド誘致に力を入れています。その甲斐もあり、訪日観光客は右肩上がりに増加中。しかしその一方、アウトバウンドの動きは鈍化しているのが実情で、これについての問題点も指摘されています。

     

    真の観光立国を目指すべく、インバウンドとアウトバウンドの比率をバランスよく維持する国づくりが期待されますね。

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